研究課題/領域番号 |
21K00907
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
伊藤 隆郎 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (60464260)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | アラビア語歴史叙述 / 気候変動 / 自然災害 / 環境史 / マシュリク / 疫病 / 飢饉 / 物価 / 暴動 / 西アジア / 北アフリカ / 中東 / アラブ史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、主に同時代のアラビア語史書を調査して、中世後期マシュリクにおける異常気象や風水害、旱魃、蝗害、疫病、地震などの自然災害、またそれらが影響したと考えられる物価の動向、飢饉、暴動などに関する記録を抽出し整理する。そして、どのような気候変動と自然災害が生じ、それらが政治、経済、社会にどのように影響したのか、また逆に人々がそれらにどのように対応したのかを明らかにする。 本研究によって、西アジア・北アフリカ史だけでなく、中世後期のアフロ・ユーラシア史、環境史の研究にとっても重要で基礎的な知見が得られると期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究は、中世後期(西暦13世紀半ばから16世紀初頭)のマシュリク(本研究ではエジプトと歴史的シリア、およびこの時期に両地域と関係の深いヒジャーズを指す)における異常気象や風水害、旱魃、蝗害、疫病、地震などの自然災害、またそれらが影響したと考えられる物価の動向、飢饉、暴動などに関する記録を同時代のアラビア語史書から抽出し整理する。そして、どのような気候変動と自然災害が生じ、それらが政治、経済、社会にどのように影響したのか、また逆に人々がそれらにどのように対応したのかを明らかにするものである。具体的な研究項目は、次の通りである。(1)中世後期マシュリクにおける異常気象に関する記録を、同時代のアラビア語史書から抽出して整理する。そして、中世温暖期から小氷期への「大変転期」とされるこの時期に、マシュリクでどのような気候変動が起きていたのかを明らかにする。(2)同時期のマシュリクにおける風水害、旱魃、蝗害、疫病、地震などの自然災害に関する記録を同時代のアラビア語史書から抽出して整理し、(1)気候変動との関連を明らかにする。(3)同時期のマシュリクにおける物価動向、飢饉、暴動などに関する記録を同時代のアラビア語史書から抽出して整理し、気候変動と自然災害が政治、経済、社会にどのように影響し、逆に人々はそれらにどのように対応したかを明らかにする。 上記の研究項目(1)から(3)いずれについても、研究対象である中世後期マシュリクの主要なアラビア語年代記のデジタルテキスト・コーパスが利用できるようになりつつあるので、これまでに刊本から抽出したデータと統合して分析する準備をしているところである。また(3)に関して、15世紀エジプトの土地調査記録であるal-Tuhfa al-saniyyaを検討し、その結果を国際学会で口頭発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍で、それまで海外渡航を控えていたが、昨年度は海外で開催される国際学会に積極的に参加し、口頭発表を行なった。しかし、その反面、本研究課題にかかる外国での資料調査を行なう時間的、金銭的余裕がなく、今年度に延期することになったため。
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今後の研究の推進方策 |
延期しているイスタンブル(トルコ)とカイロ(エジプト)の図書館・文書館で手稿本(写本)と未公刊文書の調査を行なう。 上記研究項目(1)から(3)について、アラビア語年代記の刊本から抽出したデータとデジタルテキストデータを統合して分析する。また、口頭発表した15世紀エジプトの土地調査記録であるal-Tuhfa al-saniyyaの検討結果を論文にまとめて刊行する。
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