研究課題/領域番号 |
21K00909
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
菅谷 成子 愛媛大学, 法文学部, 客員教授(非常勤講師) (90202126)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 東南アジア史 / フィリピン史 / スペイン領フィリピン / スペイン領マニラ / 近代移行期 / 公正証書原簿 / マニラ公正証書原簿 / マニラ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、本研究代表者が、これまで、フィリピン国立文書館等の所蔵する史料を調査収集して、その内容を継続的に分析した結果に基づいて蓄積してきた「近代移行期」におけるスペイン領フィリピン、特にその首府マニラの変容の諸相に関する知見について、新たな関連資料の収集、及び、その分析作業を継続することによって、当該期に生きた人びとの営為に関して新たな知見を得るとともに、その知見を、当該期のイギリスの「自由貿易帝国」の確立にともなう「地域秩序」の変容の一環として、近代アジアの広域的秩序の形成過程というグローバルな歴史的文脈に位置づけて再評価することを試みるものである。
|
研究成果の概要 |
本研究では、近代移行期のフィリピンを、東南アジア史において一般に「伝統社会」とみなされるものが形成された「近世」から「近代移行期」の一つの事例として検討した。 具体的には、当該期のマニラを特徴づける「対外貿易の多角化」とそれに関連する商品農業の振興が、イギリスの「自由貿易帝国」(自由貿易体制)の東アジア海域への伸長への対応の一環というマクロな文脈にも留意しつつ、そのインパクト、すなわち「近代移行期」の諸相を、ミクロの視点からフィリピン国立文書館所蔵の「マニラ公正証書原簿」の事例を仔細に検討することによって、対外貿易の動向を含めて、当時のマニラに生きた人々がどのように移行期に対応したのか解明した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究が分析対象としたスペイン語手稿文書史料、フィリピン国立文書館蔵「マニラ公正証書原簿」は、18世紀半ばから1911年までの各公証人が作成した3000束以上の簿冊からなっている。これまで本文書群の各簿冊に収載の契約文書の内容を網羅的に分析することは、ほとんどなされてこなかった。概ね各研究テーマに関わる契約文書が事例として分析対象となってきたのみである。 本研究では、近代移行期に該当する全ての簿冊を網羅的に分析するに至ってはいないが、該当のいくつかを選択して分析対象として、その内容を仔細に検討して、当該期のスペイン領マニラに生きた人々の営為の一端を明らかにした点において学術的な意義がある。
|