研究課題/領域番号 |
21K00911
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
臼杵 陽 日本女子大学, 文学部, 教授 (40203525)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アラブ諸国のユダヤ人 / アラブ・イスラエル紛争 / イスラエル / 歴史認識 / イスラエルへの移民 / 文化的伝統の相違 / アラブ出身のユダヤ人移民 / モロッコ / アトラス山脈 / カサブランカ / イラク / イエメン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、イスラエル国内のアラブ諸国出身のユダヤ人が、世代を超えて出身地域のアラブ地域の文化的伝統の再興をどのように認識しているかを明らかにする。 その際、1.イスラエル周辺地域のアラブ諸国出身、とりわけイラクのユダヤ人、2.イスラエルと同じ環地中海地域の北アフリカ,特にモロッコ出身のユダヤ人、3.イスラエルの南方の紅海を隔てて位置するイエメン出身のユダヤ人、を取り上げる。 本研究の目的は、神秘主義的ユダヤ教信仰のうち聖者崇敬と聖者廟の参詣を軸にしながら、各出身地域の伝統的文化への回帰のあり方の共通性・差異性を、現地の聞き取り調査で具体的に情報収集することである。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、とくにイスラエルへ移民したイラク系ユダヤ人、モロッコ系ユダヤ人、イエメン系ユダヤ人を中心に、時期を異にし、入植地域も違う移民過程とイスラエルでの定住をどのように見ているかを検討することであった。イスラエル建国前に移民したイエメン系ユダヤ人、アラブ・イスラエル紛争の勃発によって1950年前後に移民したイラク系ユダヤ人、そして1960年代以降モロッコ国王の出国許可によって移民したモロッコ系ユダヤ人の三つの事例では、移民の時期・動機の違い、イスラエル社会への同化の仕方、そしてその後のイスラエル社会で果たした役割を、各コミュニティの文化的伝統の違いを通じを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、イスラエル建国前に移民したイエメン系ユダヤ人、アラブ・イスラエル紛争の勃発によって1950年前後に移民したイラク系ユダヤ人、そして1960年代以降モロッコ国王の出国許可によって移民したモロッコ系ユダヤ人の三つの事例を比較検討することにより、イスラエル建国後に勃発したアラブ諸国とイスラエルとの間の4度にわたる「中東戦争」の性格を、たんに国家間の紛争という観点からだけではなく、かつてアラブ世界に居住していたユダヤ人の「エスニック」な視座からも問い直すことで、ユダヤ人国家と自己規定しているイスラエルという国民国家の実態を明らかにしたことである。
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