研究課題/領域番号 |
21K00919
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
松尾 俊輔 明治大学, 法学部, 専任講師 (70847475)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | YMCA / スポーツ / プロテスタント / ウルグアイ / アルゼンチン / チリ / 社会政策 / 南米 / 帝国主義 / 文明化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、20世紀初頭に北米YMCAが展開した海外伝道活動、とりわけそのスポーツ振興事 業について、南米アルゼンチン及びウルグアイを事例にその歴史的位相を明らかにする。北 米側と南米側双方の一次資料の調査を通じ、北米YMCAが当地で行ったスポーツ振興事業の展開とそこで提示された価値規範を、地元の諸勢力との関係性の中で明らかにする。特に米国帝国主義の「本拠-出先」として単純化されがちな北米YMCAと地元YMCAとの関係性を相対化し、アジアで掲げられた「文明化の使命」とは別様の価値のあり方を南米固有の文脈から見出すとともに、北米YMCAの世界展開に南米の立場から新たな意味付けを与えることを目指す。
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研究実績の概要 |
本年度は、昨年度に引き続き、文献資料の調査を中心的な課題として取り組んだ。とりわけ、20世紀初頭ウルグアイ・モンテビデオの最初期YMCAの設立と解散、そして1909年以降に北米から派遣されたYMCA行政官との協力のもとでなされたYMCAの復興のプロセスについて、モンテビデオ・メソジスト教会の資料や、ウルグアイの新聞、そして北米YMCA文書館の資料を基に検討した。とりわけ、ウルグアイ側の資料と北米側の資料との間の齟齬や欠落について、相互を突き合わせつつ分析を行った。また、この過程においてもっとも中心的な役割を果たした人物であったウルグアイの政治家・大学教員であるエドゥアルド・モンテベルデの個人史についても、バイオグラフィーをもとに再考を行った。 また、この過程において、補足的な調査として、ウルグアイの宗教史・キリスト教史や20世紀初頭のバジェ・イ・オルドニェス政権下における世俗化政策、及びより広くスポーツとプロテスタンティズム一般に関する歴史についても、二次文献を中心とした文献調査を行った。 また、6月には国際体育スポーツ史学会(ISHPES)の年次大会に参加(スイス・ローザンヌ、オンライン参加)し、ウルグアイやブラジルの研究者らを中心に意見交換を行った。とりわけ、ウルグアイのスポーツ政策やスポーツの制度化といった側面に加え、ブラジルをはじめとした近隣諸国の事例に関しても、本研究にかかわる有力な意見交換ができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
手持ちの資料の分析については予定通り進んでいるものの、新たな資料を渉猟するための海外資料調査が諸々の要因によりできていない。これは2024年度以降の課題となる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、ウルグアイ・モンテビデオに滞在し、YMCA及びプロテスタント教会に関わる資料の渉猟にあたる予定である。また、同年度はブラジル・クリチバで行われる国際体育スポーツ史学会にも参加し、各国の研究者らと意見交換を行う予定である。
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