研究課題/領域番号 |
21K00938
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
舘 美貴子 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (60376580)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | アメリカ現代史 / 音楽 / 福音派 / 社会運動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1970年代以降のアメリカにおいて、福音派キリスト教徒が政治的な存在感を高めていくなかで、音楽がその社会運動と勢力拡大においてどのような役割を果たしたのか、そして、カウンターカルチャーの担い手であったヒッピーの改宗に端を発し、同時期に発展したコンテンポラリー・クリスチャン・ミュージックが宗教右翼の台頭、発展とどのような関係を持っていたのかを歴史的に解明することを目的としている。当時の福音派の活動家や指導者の音楽との関わりを探ると同時に、コンテポラリー・クリスチャン・ミュージックの作品、音楽家、受容者の思想を分析し、政治、宗教、音楽が交錯する様相を明らかにする予定である。
|
研究実績の概要 |
本研究「カウンターカルチャー後のアメリカにおける福音派の音楽と政治に関する歴史的研究」は、1970年代以降のアメリカにおいて、福音派キリスト教徒が宗教右翼として政治的な存在感を高めていくなかで、音楽がどのような役割を果たしたのか、そして、カウンターカルチャーを担っていたヒッピーが集団で福音派キリスト教に改宗したジーザズ・ムーブメントを契機として発展したコンテンポラリー・クリスチャン・ミュージックが宗教右翼の台頭と勢力維持にどのような貢献をしたのかを明らかにすることを目的としている。2年目にあたる当該年度は、宗教右翼につながる戦後の保守主義の発展に関して、前年度に続き文献調査と講読を進めて概要を明らかにするととともに、宗教右翼の勢力拡大の経緯についても、昨今のアメリカにおける関連した出来事やその報道なども含めて検討することで、現代アメリカ社会との連続性という観点も取り入れて考察を進めた。また、ジーザズ・ムーブメントの舞台ともなった1960年代から1970年代の南カリフォルニアにおける政治と音楽の関連についても、地方選挙やその際に音楽を利用した政治家に関する資料などをさらに検証し、政治活動における音楽とメディアの役割について新たな知見を得た。特に、この地方選挙における白人有権者の人種意識と音楽の関連性に着目し、戦後の福音派の政治運動においても重要な役割を担った人種意識について再検証するとともに、それが音楽の発展に与えた影響についての考察も進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度も渡米はできなかったものの、出版された文献・資料や国内からでも入手可能な資料などをもとに文献の講読や資料の分析を進めることができたため。また、研究成果の一部については論文も出版することができたため。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでの研究成果を国際学会での口頭発表や論文執筆などを通して公表してゆくとともに、さらに文献・資料の収集と分析を進めてゆきたいと考える。特に、宗教右翼団体の刊行物や映像などの歴史資料の分析、保守派の政治家及び福音派の指導者などの著書やスピーチ、インタビュー等の比較分析、コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージックの楽曲や音楽家の手記等の分析を続けて行う予定である。また、トランスナショナルな視点から、日本における同時代の音楽と政治の関連についての比較分析も行う。
|