研究課題/領域番号 |
21K00954
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
平郡 達哉 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (60709145)
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研究分担者 |
森 貴教 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (30775309)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 朝鮮半島 / 青銅器時代 / 磨製石剣 / 記載岩石学 / 生産流通システム / 副葬文化 / 文化の展開と特質 |
研究開始時の研究の概要 |
磨製石剣と呼ばれる石材を磨いて製作された剣形の石器が、朝鮮半島青銅器時代に盛行する。これについて①磨製石剣資料の集成、②墳墓出土磨製石剣からみた副葬風習の研究、③住居址出土磨製石剣とこれと共伴する剥片石材からみた製作過程の復元研究、④記載岩石学的検討を通した磨製石剣の石材産地・流通範囲の研究を遂行する。 これらを通して朝鮮半島青銅器時代における磨製石剣生産システム・副葬文化を理解し、当該社会における磨製石剣の歴史的・文化的意義について評価を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は朝鮮半島青銅器時代文化を代表する物質資料である磨製石剣に対する考古学的および記載岩石学分析を通して、朝鮮半島青銅器時代社会における磨製石剣の生産・流通システムのモデルを提示すると共に、磨製石剣副葬文化の時間的・空間的展開とその特徴の解明を目的としている。 4年計画の3年目に当たる令和5年度は、韓国東南部の嶺南地域における磨製石剣製作遺跡の資料見学を研究分担者と共に実施した。前年度に続いてソウル・江原道・全羅道所在の博物館において磨製石剣を実見した。朝鮮半島出土磨製石剣一覧表の作成は継続して進めることができた。 また、朝鮮半島から日本列島への磨製石剣文化の伝播を扱った論考(平郡達哉「弥生時代の始まりと支石墓・磨製石剣」宮本一夫(編)『九州考古学の最前線1―縄文~古墳編―』(季刊考古学・別冊43)、雄山閣)を発表するとともに、本研究と内容を韓国晋州市と青銅器学会が合同で開催した学術大会において発表した(平郡達哉「日本弥生時代と晋州地域青銅器時代文化比較研究-墓制を中心に-」『晋州の青銅器時代風景』晋州市主催国際学術大会、2023年10月20日)。 以上のように、よくやく韓国での現地調査を研究分担者と共同で重点的に実施でき、一部の成果は日本での公表および韓国での発表という形で提示できた。日本国内で遂行可能な作業については、基礎研究作業の一環として日本国内で可能な限りの資料収集を継続して実施、朝鮮半島出土磨製石剣一覧表の作成も実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナウイルス感染拡大による海外渡航制限が解除されたため、ようやく韓国での重点的な調査を研究分担者と共に実施することができた点が主な理由となる。 また、研究の成果について日本と韓国両国において公表・発表する機会ができた点も理由として挙げられる。 日本国内で実施できる朝鮮半島出土磨製石剣資料のデータ集成・入力は継続しており、基礎的文献収集や関連資料一覧表の作成についてもおおむね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画に沿って調査・研究を進めていく。 この間進めてきた朝鮮半島出土磨製石剣資料のデータ集成・入力を基に、集成表を報告書の形で刊行できるようにする。 過去3年間で調査を実施できていなかった地域については、最終年度の前半のうちに現地での磨製石剣関連資料の実見を実施する。 上記した方策で朝鮮半島出土磨製石剣の製作過程や流通について整理し、研究報告書の刊行に努めたい。
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