研究課題/領域番号 |
21K00961
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 身延山大学 |
研究代表者 |
保坂 康夫 身延山大学, 仏教学部, 講師 (50810785)
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研究分担者 |
庄田 慎矢 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 企画調整部, 室長 (50566940)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 残存脂質抽出 / ガスクロマトグラフ質量分析計 / 個別脂肪酸安定炭素同位体分析 / 被熱礫使用履歴 / 電気炉実験 / 焼石割れ線解析 / 炭素同位体分析 / 被熱礫使用履歴分析 / 被熱礫割れ線分析 / 被熱礫割れ目観察 / 被熱礫残存脂質分析 / 分析礫群関連データ収集 / 残存脂質質量分析計 / 電気炉 / 被熱礫使用履歴指標 / 残存資質の抽出に成功 / 食料資源究明 / 旧石器時代 / 礫群 |
研究開始時の研究の概要 |
食料資源の問題は、人間の歴史の根幹である。中でも、旧石器時代での水生資源の利用の確認は急務といえる。しかし、実資料を対象とした旧石器時代の食料資源の具体的な研究はほとんど進展していない。そこで、調理施設である礫群に着目し、飛躍的な成果を出している土器残存脂質分析を応用して被熱礫残存脂質分析を開発するとともに、被熱礫炭化付着物炭素・窒素安定同位体分析の2つの分析手法を、多様な地域、岩種、調理法の礫群資料に対して試み、この分析手法の有効性を確認するとともに、日本列島の旧石器時代に食料資源として水生資源は利用されているかの見通しを得る。
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研究成果の概要 |
本研究は、日本列島の旧石器時代の食料資源究明のため、調理施設である礫群の調理対象と調理法を探求した。調理対象は、焼石に中に浸透して残っている脂質の抽出と種類の追求し、東アジアで初めて旧石器時代の礫群の残存脂質抽出と同定に成功した。地域よって調理対象が異なっていた可能性を指摘し、特に北海道地域では海洋資源利用の可能性が示唆された。調理法では、焼石の割れ方の数値化に成功した。北海道では水の中に焼石を投入するストーンボイリング法の可能性が指摘できた。東京都と鹿児島県では、ストーンボイリング法の可能性は低いが、鹿児島県では水を注入する行為を含む石蒸焼き調理法である可能性を指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本列島の旧石器時代の食料資源の究明は、旧石器時代人が食べ残した動物の骨などが出土しないため研究が進んでいなかった。本研究では、旧石器時代の調理施設である礫群の焼石を研究することで、調理対象と調理法とを究明する新たな研究方法を確立した。このことで、旧石器時代の食料資源に関する研究を大きく前進させることができた。これまで活用が進まなかった焼石について、埋蔵文化財としての価値を高め、人類史解明に大きく貢献できることを明確にした。
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