研究課題/領域番号 |
21K00963
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所 (2022-2023) 神奈川県立歴史博物館 (2021) |
研究代表者 |
千葉 毅 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 保存科学研究センター, 研究員 (70589845)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 縄文時代 / 縄文土器 / 色調 / 粘土 / 分光測色 / 蛍光X線 / 分光分析 / 土器製作 / 異系統土器型式 / 胎土 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、縄文土器の細かな製作痕跡を観察し、定量的に記録することを通して、縄文時代における土器製作技法の伝習、伝播の様相、さらには集団の移動や交流の一端を解明することを目的とする。 具体的には、文様施文手法(施文具の選択や施文順序、施文時の手の動き等)や器面調整手法(調整具やタイミング等)、胎土(生地)製作手法(胎土の色調や混和材の粒度等)といった土器製作にかかる細かな痕跡を重点的に観察し、実験的に製作したサンプルと比較する。これまでにも多くの研究者らが感覚的には捉え、指摘してきた側面も含め、改めて定量的な分析を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究は、これまでの縄文土器型式学的研究では焦点があまり当てられて来なかった「微視的な製作痕跡」に着目し、異系統土器型式共存の背景や縄文時代の人間集団の移動・移住、それに伴う集団間の接触や交流の動態の細部を描き出すことを目的としている。特に縄文土器の素材粘土採取時における色調による選択性を検討するために、胎土の色調についての分析方法の検討、小型分光測色計による計測を行った。 縄文時代中期土器群について色調測定し、蛍光X線分析結果との照合を行った結果、わずかではあるが、遺跡立地及び分類による色調の傾向が見出せることを予察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究においては、明らかな付着物等を除く残存器面の面積に応じて測定箇所を増やし、その組み合わせ及び平均値によって対象土器の色調を表現する方法を試行している。色調の計測には小型分光測色計を使用し客観性、再現性の向上を図っている。これらにより、従来のやや感覚的な分析に比べ精度の高い色調分析が可能となる。 その結果、地域による土器色調のまとまりを予見することができた。従来の型式学的な研究と相互に参照することで、縄文時代人の認識を探るための重要な成果となり得るものである。
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