研究課題/領域番号 |
21K00966
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 奈良県立橿原考古学研究所 |
研究代表者 |
岡田 憲一 奈良県立橿原考古学研究所, 調査部調査課, 係長 (20372170)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 焼成粘土塊 / 土器製作 / 縄文土器 / 胎土分析 / 被熱履歴分析 / 火処遺構 / 粘土 / 先史時代 / 実験 |
研究開始時の研究の概要 |
先史時代の焼成粘土塊は、遺跡からの出土例も比較的多く、土器製作に関連する遺物として広く関心がもたれながら、体系的分類やその評価など、基礎的な研究が十分進んでいない。本研究は、この焼成粘土塊を、形態的特徴および混和材の有無によって分類し、同一遺跡出土の土器の胎土、焼成環境と比較することで、それがその遺跡における一連の土器製作技術体系と共通のものであるか否かを明らかにする。そして、この方法を確立することによって、比較的資料の多い焼成粘土塊から土器製作遺跡を抽出し、先史社会における土器供給体制を究明するための足掛かりとする。
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研究成果の概要 |
本研究は、焼成粘土塊を検討することで、どのような形態的特徴を有するものが土器製作に関連するものかを特定し、その基準にもとづき土器製作関連遺跡を抽出して、先史社会の土器供給体制を究明することを目的とした。 本研究では、縄文時代から弥生時代の焼成粘土塊の集成、観察、分類とともに、焼成実験を実施した。その結果、土器製作の諸工程に対応する焼成粘土塊の特徴的な形態を認定し得た。また、土器製作素地の貯蔵施設の失火と仮定した布留遺跡の被熱粘土遺構が、土器製作に関連する可能性が小さいと判断され、混和材を入れた扁平な粘土を貼って構築した火処施設が、縄文時代に一定程度存在したことを明らかにし得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、一般的に認定しにくい土器製作関連遺跡を絞り込む手段として、焼成粘土塊の形態分類が有効であることを示した。また、従来あまり知られていない粘土を用いた火処施設が、縄文時代に一定程度あることを示し、焼成粘土塊とされているものの一部がその断片であることを明らかにした。以上のことから、本研究成果の意義は、焼成粘土塊のみでも、遺跡の性格を判断する上で有効な遺物となり得ることを示したことにあり、このことによって、より多くの遺跡から、先史時代の土器製作に関しての知見を得ることができるようになった。
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