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中国初期王朝時代における「都城圏」の形成とその地域的基盤─地理考古学の実践

研究課題

研究課題/領域番号 21K00976
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分03050:考古学関連
研究機関南山大学

研究代表者

西江 清高  南山大学, 人文学部, 客員研究員 (10319288)

研究分担者 渡部 展也  中部大学, 人文学部, 准教授 (10365497)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード中国考古学 / 初期王朝時代 / 中原王朝 / 王都 / 早期都市 / 交通路 / ネットワーク / GIS / 環境考古学 / 集落考古学 / 都市 / 中国初期王朝時代 / 考古学GIS / 地理考古学 / 都城圏 / 畿内的地域 / 集落分布 / 考古学 / 地理学 / 地域間関係
研究開始時の研究の概要

黄河中流域に登場した初期国家である中原王朝(「夏」、殷、周)の王都の成り立ちを、宮殿・宗廟・城壁といった都城中心部の構造とともに、中心部を支えた「地域システム」としての「都城圏」という概念によって捉えなおす。さらにその「都城圏」を、「畿内的地域」「二次的地域」「外域」という3重に構成された王朝政治圏全体の中心を担う一つの「地域」として位置づける。分析にあたっては、考古学的、地理学的な情報をGIS(地理情報システム)の方法によって総合し、交通路ネットワークの可視化などを通じて、都城圏内外および王朝政治圏内外の諸地点、諸地域間の結合関係を明らかにする。

研究実績の概要

本研究は中国初期王朝時代の王都(都城圏)の性格を、王朝の政治圏・文化圏における「中心」と「周辺」の関係性という側面から、地理考古学的方法によって検討するものである。本研究は、①研究室において位置情報を付した関連遺跡のデータベースを作成する。②データベースに基づいて各種の考古学GISの解析をおこない、研究成果を発表する。③現地での調査(踏査)を実施する。以上の三つを柱として進めている。
2023年度においては、①について、中国の省別遺跡データベースの作成を昨年に引き続き順調に進めることができた。特に、中国の黄河流域以南の広大な地域に関しては、データベースの完成が見えてきた。
そのデータベースに基づく研究である②については、「中国初期王朝時代の王都の性格について」と題する論文を2023年度内に投稿しており、2024年度中に公刊される予定である。中国初期王朝時代の都市を論じた論文としては、日本における数少ない業績となる予定である。同論文では、新石器時代後期の「早期都市」という概念を提唱し、その早期都市と、その直後に登場した初期王朝時代の「王都」との、都市としての性格の違いについてさまざまな論点を示すことができた。こうした進行中の研究内容については、依頼講演などの機会を利用して、できるだけ幅広く研究者に向けて発信するよう努めてきた。
現地調査に関する③については、2023年度も残念ながらコロナ禍の影響が長引いており、中国現地での調査旅行には、なおさまざまな制約があることから、実施できない状況が続いた(研究分担者は、本研究とは別のプロジェクトの関係で、3月に短期間中国・中原地区を訪問した)。研究最終年度の2024年度には現地調査を実施したいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究初年度(2021)および2年目(2022)につづいて、当初の予想をこえてコロナ禍の影響が長引いている。2023年度においてはこの問題は一応落ちついたものの、研究対象地の中国ではなお一般的な旅行等において一定の制約(ビザ取得など)が残っている。結果として2023年度においても中国現地での調査を、希望する好条件で実施することが難しいと判断し、次年度に持ち越すこととした。一方で、現地調査以外の研究は、研究室におけるデータベースの作成と考古学GIS的解析が、論文や研究発表など形である程度具体的な成果に結びつきつつあり、「おおむね順調に進展している」という評価となった。

今後の研究の推進方策

「進捗状況」にも書いたように、コロナ禍の影響による現地調査の停止状況が長引いていたが、2024年度は可能であると判断しており、秋には実施したい。研究最終年度の秋となるが、これまで研究室内で進めてきた研究内容の総確認という意味で重要である。予算と時間に制約があるために、調査地点を限定して現地を訪問したい。
一方、これまで3年間の本研究を通じてわれわれは、研究対象地域を中国初期王朝時代の王都とその周辺地域にのみ集中するのではなく、「王都」のもつ広域的な影響に注目することが重要であると認識するようになっている。その結果、日本列島における中国初期王朝時代からの間接的影響(弥生時代の青銅器など)にも注目するようになっている。同様のことは東南アジア大陸部や北方草原地帯の早期青銅器文化についても言えることである。これらを勘案して、まずは日本国内の博物館等に収蔵されている関連文物の調査を進めることが有意義であると考えている。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 7件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 境界Ⅱ2024

    • 著者名/発表者名
      西江清高
    • 雑誌名

      南山考人

      巻: 第52号 ページ: 1-3

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 山東における遺跡分布の長期的変動と地域性2023

    • 著者名/発表者名
      渡部展也・西江清高・金井サムエル
    • 雑誌名

      2022年度日本中国考古学会大会予稿集

      巻: - ページ: 41-50

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 「中国」文明はどのように形成されたのか ―地理考古学的な視点から考える―2023

    • 著者名/発表者名
      西江清高
    • 学会等名
      2023年度 南山大学人類学博物館講座
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Preliminary Study on The Tempo-Spatial Analysis of Formation Process of Regionality in The Neolithic Period, China2023

    • 著者名/発表者名
      渡部展也WATANABE Nobuya
    • 学会等名
      国際シンポジウム・ワークショップ “GISを用いて言語情報と非言語情報をつなぐ”(国立民族学博物館)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 山東における遺跡分布の長期的変動と地域性2023

    • 著者名/発表者名
      渡部展也・西江清高・金井サムエル
    • 学会等名
      日本中国考古学会大会2022年度
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 空間を読み解くさまざまな階梯─中国考古学の事例から─2023

    • 著者名/発表者名
      西江清高
    • 学会等名
      南山大学人類学研究所第1回シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 地理空間情報の「多層性」と考古学─考古学GISの視点と実践─2023

    • 著者名/発表者名
      渡部展也
    • 学会等名
      南山大学人類学研究所第1回シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Application of geoinformatics in the field of archaeology and cultural heritage protection2022

    • 著者名/発表者名
      Nobuya WATANABE
    • 学会等名
      Sakura Science Online Study Plan (JST)
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 地理空間分析による遺跡間のアクセシビリティと交通路の検討 ー中国の新石器時代を事例としてー2022

    • 著者名/発表者名
      渡部展也
    • 学会等名
      「中国文明起源解明の新・考古学イニシアディブ」「土器を掘る:22世紀型考古資料学の構築と社会実装をめざした技術開発型研究」合同シンポジウム
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 中国初期王朝誕生の考古学2021

    • 著者名/発表者名
      西江清高
    • 学会等名
      南山大学人類学博物館講座
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] 張長寿、陳公柔先生紀念文集2022

    • 著者名/発表者名
      李峰、施勁松主編
    • 出版者
      中西書局
    • ISBN
      9787547520291
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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