研究課題/領域番号 |
21K00985
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
佐々木 基樹 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (50332482)
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研究分担者 |
遠藤 秀紀 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (30249908)
都築 直 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (60725430)
山田 一孝 麻布大学, 獣医学部, 教授 (80292093)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ニホンオオカミ / ニホンカワウソ / CT / 脳 / 前頭洞 / 頭蓋腔 / 鼓室胞 / 容積 / 頭蓋 |
研究開始時の研究の概要 |
本件研究では、ニホンオオカミやニホンカワウソといった絶滅日本産哺乳類の頭蓋をCTやMRIを用いて非破壊的に解析することによって、頭蓋を破壊することなくその内部構造を詳細に検索する。またスキャンデジタルデータから頭蓋腔や前頭洞などの頭蓋内部形態が占める容積を算出し、他の近縁種と比較検討を行う。さらに、絶滅日本産哺乳類の汎用性の高いデジタルデータを集積し、博物学的2次資料としてこれを活用する。
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研究実績の概要 |
令和4年では、CT撮像を行ったニホンオオカミ(Canis lupus hodophilax)4個体、大陸のオオカミ(C. l. ssp., 以下オオカミssp.)16個体、そしてアキタイヌ(C. l. familiaris)4個体の頭蓋CTデータから脳頭蓋によって取り囲まれる領域を抽出し、その構造の比較をおこなった。その結果、イヌで報告されている脳回(舵手回、十字回、十字前回、ジルビウス上回、ジルビウス外回、ジルビウス回、縁内回、縁外回、縁回)や脳溝(舵手溝、十字溝、冠状溝、ジルビウス上溝、ジルビウス前溝、ジルビウス外溝、ワナ溝、縁内溝、縁溝、縁外溝、外側嗅脳溝)、そして仮ジルビウス裂といった脳表面の構造が認められたが、その部位に大きな違いは認められなかった。一方、大脳前方の梨状前野および嗅脳領域、そして前頭領域は、外側観において、ニホンオオカミでは背腹方向に厚く、また、オオカミssp.やアキタイヌでは嗅脳領域がニホンオオカミよりも前方に若干突出していることが明らかになった。また、CTデータから前頭洞、頭蓋腔、鼓室胞を反映したニホンオオカミの頭蓋模型を実際に作製した。 ニホンオオカミの解析と平行して、絶滅種であるニホンカワウソの頭蓋内部の形態学的解析を、CTを用いて非破壊的におこなった。同じイタチ科カワウソ亜科に属するカナダカワウソ、ラッコ、ユーラシアカワウソ、ビロードカワウソそしてコツメカワウソにおいても同様の解析をおこなった。解析の結果、頭蓋容積に対する前頭洞容積が、カナダカワウソやビロードカワウソで大きく、ニホンカワウソやユーラシアカワウソではカナダカワウソの約半分の値であった。また、ラッコでは前頭洞は存在するが非常に小さいことが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ニホンオオカミやエゾオオカミの標本を収蔵している博物館等の施設を訪問し標本数を増やすことは出来なかったが、予定していたニホンオオカミの頭蓋模型の作製を実施することができ、さらに、学会誌にニホンオオカミの形態に関する総説を発表した。
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今後の研究の推進方策 |
ニホンオオカミやエゾオオカミの標本を収蔵している博物館等の施設を訪問し標本数を増やす。また、新たなデータを追加してニホンオオカミの頭蓋形態に関する投稿論文を作成する。ニホンカワウソを含むイタチ亜科の頭蓋腔や鼓室胞の構造を解析する。前頭洞の結果と併せてニホンカワウソの頭蓋形態に関する投稿論文を作成する。
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