研究課題/領域番号 |
21K01000
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03070:博物館学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
齊藤 有里加 東京農工大学, 学内共同利用施設等, 特任助教 (60736891)
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研究分担者 |
金子 敬一 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20194904)
横山 岳 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20210635)
棚橋 沙由理 筑波大学, 教育推進部, 准教授 (20834930)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 動態展示 / 継承 / アーカイブ / 3D化 / 動画化 / 暗黙知 / HR型自動繰糸機 / 博物館 / 技術継承 / デジタル復元 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、国内自動繰糸機に関する「動態展示」技術の保全を事例として、人的技能・技術継承モデルを開発することを通し、産業遺産の保存技術構築と活用に資することを目指す。具体的には昭和39年(1964)年に開発された国産自動繰糸機HR型を対象とし、機械機構の3Dデジタル化、動画による可視化を行い、ICT技術により、産業遺産に重要な無形資料である「技能・技術」の揮発を防ぐ新たな手法の開発を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究は国内自動繰糸機に関する「動態展示」技術の保全を事例として、人的技能・技術継承モデルを開発することを通して、産業遺産の保存技術構築と、活用に資することを目指すものである。昭和39(1964)年に開発された国産自動繰糸機HR型を対象とし、機械機構の3Dデジタル化、動画による可視化を行い、産業遺産に重要な無形資料である「技能・技術」の揮発を防ぐ新たな手法の開発を試みる。令和5年度の研究実績として、令和4年に実施したHRメンテナンスの記録画像を編集し画像を基にエンジニアからHR保守におけるの暗黙知の抽出を行う計画であったが、対象者の逝去によりデータ収集は中止し、画像をデジタルアーカイブ資料とする方針とした。また、デジタル上で動態機構の再現化について復元対象箇所である繰糸機構の図面の読み取りと3Dでの再現を行った。昭和40年代の図面は手書き図面であり、①図面のトレースの実施や機械機構を理解した上での図面の細かな合わせ部分の理解を行いながらデジタル化していく必要があることが分かった。本復元作業により、図面資料からの3D復元には背景知識や設計思想の理解が同時に必要であることが明らかとなり、特に繊維機械における「糸」は張力や摩擦力など、複雑に機械部品に関与しているため、デジタル再現、復元によるアーカイブを行う上で正確な復元が難しい機種であることが改めて認識された。 本年度の成果は第70回日本シルク学会研究発表会、情報処理学会 第86回全国大会において報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
HR-2自動繰糸機に携わるエンジニアのご逝去に伴い、メンテナンスや機械機構、設計思想に関する「暗黙知の」抽出作業が困難となった。また機械類のメンテナンス、供給部品の提供についても現状停止状況にある。現行において保存できる情報は当初よりも限られて者で実施する形となった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は最終年となるため、これまで得たデータを元にICTでの共有化作業を試みる。①HR自動繰糸機の開発史と設計思想について②動画資料(博物館内でのHR稼働画像・メンテナンス画像)③設計図面から復元した機械機構(繰糸機構)の3D画像と機械機構の解説 本データを元に①他館職員との動態展示維持に関するデータ共有上の有効性②富岡製糸場等機械の稼働が不可能なHR機への活用の可能性③機械機構の理解における教材としての有効性について検討を行う。
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