研究課題/領域番号 |
21K01001
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03070:博物館学関連
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
朝日田 卓 北里大学, 海洋生命科学部, 教授 (00296427)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 博物館教育 / 指導者育成 / 震災復興事業 / 風土の再興 / 教員のための博物館の日 / 被災地浅海域の環境変化 / 地域固有文化財 / 体験学習 / 陸前高田市立博物館常設展示 / 体験学習プログラム / 貸出教材 / 原風景 / 持続可能な開発のための教育 / 地域学 / 文化財と自然環境 / 復興博物館 / 風土再興 / サイバネティクス / 地域文化財活用 |
研究開始時の研究の概要 |
東日本大震災によって生涯学習環境が大きく損なわれた岩手県陸前高田市では、被災した二つの博物館が一つの新生博物館として復興するが、本研究では市民の原風景の一つである海浜を題材としたものを中心に博物館教育プログラムを開発し、新生博物館の展示等と有機的に繋げた生涯学習システムの構築を図る。これによって、教育のみならず街づくりや地域振興に資する人材の育成が可能となり、被災地のなりわい新生など持続可能な地域社会に資する博物館の形を提示できる。
|
研究実績の概要 |
本研究は、東日本大震災からの復興過程にある岩手県陸前高田市において、復興もまた災害の過程であるという考え方をベースに、震災で失われた風土の再興を人材育成と共に行い得る博物館教育システムを構築し、長い間失われたままであった生涯学習環境の復興のみならず、人々の心の復興にも資することを目的としたものである。 本研究が開始された2021年度および2022年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大により社会活動が大きく制限され、現地博物館での調査研究を始め開発した博物館教育プログラムの活用や実証試験、そのフィードバックによる指導者育成プログラムの開発等がほとんどできなかった。また2023年度は、5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症になって以降も、実証試験を実施予定であった小学校で発生したクラスターや台風等の悪天候により、教育普及事業を利用した活動が出来なかった。そのような中でも、本研究において整備した体験学習用貸し出し教材借用依頼が大船渡市、陸前高田市、釜石市からあり、また大船渡市立博物館で開催した「教員のための博物館の日」においても活用することができた。しかしながら、実証試験が不十分であることから研究期間延長申請を行い、もう一年かけてより良い成果を目指すこととなった。一方、博物館教育プログラムのベースとなっている被災地浅海域での調査研究は、回数が減ったものの継続することが出来た。これらの研究成果等を反映させた新生陸前高田市立博物館の常設展示「奇跡の海三陸」「海と生きる人々」「自然と共に生きる」の評判は良好であることから、体験学習プログラムの実証試験を通じて市民の原風景に迫り、指導者育成プログラムの開発と展開に繋げて行きたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究開始以来、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための行動制限により、開発した博物館教育プログラムの実証試験が十分にできておらず、また2023年度もその状況が続いたこと(新型コロナウイルス感染症が5類感染症になって以降も、小学校などでクラスターが断続的に発生)から遅れをリカバリーすることが出来なかった。さらに夏に計画していた博物館の教育普及事業も悪天候等で中止に追い込まれたため実証試験が出来ず、その結果を開発した博物館教育プログラムにフィードバックすることができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は、陸前高田市立博物館および大船渡市立博物館の教育普及事業を活用した博物館教育プログラムの実証試験を行い、復興した博物館を核とした生涯学習システムと指導者育成プログラムを構築すると共に、その成果を広く市民に伝えるための冊子の作成や博物館教育用デジタルコンテンツの作成を行う。また、並行して行っている被災地浅海域での仔稚魚等の調査研究成果を活用し、博物館教育プログラムの充実を図る。
|