研究課題/領域番号 |
21K01005
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03070:博物館学関連
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研究機関 | 公益財団法人山階鳥類研究所 |
研究代表者 |
小林 さやか 公益財団法人山階鳥類研究所, その他部局等, 研究員 (70414092)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 鳥類標本 / 標本史 / アーカイブ / 自然史標本 / 鳥類 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、山階鳥類研究所が所蔵する創設者の山階芳麿(やましな・よしまろ)が収集した鳥類標本を対象に、標本の歴史的背景を調査する。その過程で関連する資料や文献を見出し、各標本に“正しい情報”を与え、情報が不明確とされてきた古い標本と、その証拠となる資料の双方の研究資源としての価値を向上させることを目的とする。 本研究では山階芳麿の活動範囲の広さから、鳥類標本史に留まらず、同時期に採集した哺乳類標本史など、昭和初期の日本の自然科学史の解明につながることが期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究では、古い標本の歴史的背景を調査する過程で標本に関連する資料や文献を見出して、個々の標本に「正しい情報」を与え、情報が不明確とされてきた古い標本と、その証拠となる資料の双方の研究資源としての価値を向上させることを目的としている。古い標本は、長期間の保存の過程で、本来保有していたはずの「いつ」、「どこで」採集されたかという情報が、ラベルの誤読、管理者の変更で伝達されなかったなどの理由で不明確な場合がある。 山階鳥類研究所は約7万点におよぶ国内最大の鳥類標本群を有している。その中核は創設者である山階芳麿(やましな・よしまろ)が収集した標本群(山階芳麿コレクション)である。本研究では、山階芳麿コレクション約3万点について、採集旅行ごとに標本群を構築し、構築した標本群ごとに歴史的背景を調査し、各標本がいつ、誰によって、どのような目的で採集されたものかを解明する。この結果得られた情報は、論文発表や「山階鳥類研究所標本データベース」(https://decochan.net/)に反映させることで、山階芳麿コレクションの価値を向上させる。昭和期の鳥類学を牽引した山階芳麿コレクションを解明することで、自然科学に貢献する。 本年度は前年度から引き継いだ山階芳麿コレクションの標本台帳のデジタル化を終え、標本台帳や文献調査から山階が標本を収集した地点を整理した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
山階芳麿コレクションの標本台帳のデジタル化に時間がかかったため、研究の進行状況はやや遅れている。だが、デジタル化したことでコレクションの全体像の理解が進んだ。また、効率よく採集旅行ごとの標本群を構築できるようになった。
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今後の研究の推進方策 |
山階芳麿コレクションの全体像の理解が進み、一部の標本群では入手経緯が明らかになりつつある。ハワイ・ビショップ博物館に保存されていた書簡から、1940年に同館との標本交換によって、ハワイ諸島などの鳥類標本45点を入手していたことが判明した。次年度は背景が分かった標本群についてまとめ、論文投稿を考えている。
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