研究課題/領域番号 |
21K01038
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
片岡 博美 近畿大学, 経済学部, 教授 (70432226)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | エスニック・ビジネス / 「日本型」エスニック・ビジネス研究 / 市場規模 / 人種と民族の交錯 / エスニシティ / ホスト社会側の消費・需要 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、市場規模やその地域的差異の分析ほか、各エスニック集団のビジネスに対するホスト社会側の「需要」や「消費」の側面を分析することにより、エスニック・ビジネス研究に新たな知見を付け加えるとともに、共生や統合、排除、包摂ほかエスニシティに関わる「普遍的」な「中間項」を用いた議論とは別の界面から、エスニシティが介在する地域課題の解決に向けた方策を見出す。また、欧米諸国出身集団を含めた各集団のビジネスに対しホスト社会側が持つ意識の差異やその生成要因を分析し、人種と民族が交錯する形でエスニックな事象を捉える日本特有の性質も検討することで、「日本独自の」エスニック・ビジネス研究のモデル構築も試みる。
|
研究実績の概要 |
本研究は、市場規模やその地域的差異の分析ほか、各エスニック集団のビジネスに対するホスト社会側の「需要」や「消費」の側面を分析することにより、エ スニック・ビジネス研究に新たな知見を付け加えるとともに、共生や統合、排除、包摂ほかエスニシティに関わる「普遍的」な「中間項」を用いた議論とは別の 界面から、エスニシティが介在する地域課題の解決に向けた方策を見出すことを目的とした研究である。また、あわせて、欧米諸国出身集団を含めた各集団のビ ジネスに対しホスト社会側が持つ意識の差異やその生成要因を分析し、人種と民族が交錯する形でエスニックな事象を捉える日本特有の性質も検討することで、「日本独自の」エスニック・ビジネス研究のモデル構築を試みる、ことも目的としている。 研究の進捗状況であるが、初年度の令和3年度においては、(1)研究を進める前提部分となる関連文献や資料の収集・理論の整理を行なった。続いて2年目 となる令和4年においては、(2)1)を踏まえた上での予備調査、ならびに(3)(2)を踏まえた本調査、の2つを行った。なお、コロナ禍のもと、広域移動が困難になったこと、また、調査にあたり、訪問かつ対面での聞き取り等が難しくなったことから、(3)の本調査はWEB調査の 形態に切り替えて行った。(2)の調査の概要並びに結果の一部については学会誌に投稿、また(3)の調査概要ならびに結果の一部は、令和5年3月に 開催された学会にて発表した。3年目となる令和5年度においては、(3)の詳細な分析を行った。この結果、当初予測に近い形の結果を得ることができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由 本研究の目的の1つである、市場規模やその地域的差異の分析ほか、各エスニック集団のビジネスに対するホスト社会側の「需要」や「消費」の側面を分析することにより、エスニック・ビジネス研究に新たな知見を付け加えるとともに、共生や統合、排除、包摂ほかエスニシティに関わる「普遍的」な「中間項」を用 いた議論とは別の界面から、エスニシティが介在する地域課題の解決に向けた方策を見出すという部分の計画については、初年度の令和3年度においては、(1)研究を進める前提部分となる関連文献や資料の収集・理論の整理を行なった。続いて2年目 となる令和4年においては、(2)1)を踏まえた上での予備調査、ならびに(3)(2)を踏まえた第一回目の本調査、の2つを行った。なお、コロナ禍のもと、広域移動が困難になったこと、また、調査にあたり、訪問かつ対面での聞き取り等が難しくなったことから、(3)の本調査はWEB調査の 形態に切り替えて行った。(2)の調査の概要並びに結果の一部については学会誌に投稿、また(3)の調査概要ならびに結果の一部は、令和5年3月に 開催された学会にて発表した。3年目となる令和5年度においては、(3)の詳細な分析を行った。この結果、当初予測に近い形の結果を得ることができた。 2点目の目的である、欧米諸国出身集団を含めた各集団のビジネスに対しホスト社会側が持つ意識の差異やその生成要因を分析し、人種と民族が交錯する形で エスニックな事象を捉える日本特有の性質も検討することで、「日本独自の」エスニック・ビジネス研究のモデル構築を試みる、という部分に関しては、関連する文献や資料の収集、理論の整理等、一昨年度、昨年度に引き続き、ほぼ予定通り行うことができた。その一部については、令和5年度に分担執筆の書籍等にて公開した。
|
今後の研究の推進方策 |
計画においては、令和4・5年度を、現地調査・分析ならびに理論構築・補足調査の年度とし、令和3年度の予備調査で結果に有意な特徴がみられた地域における(大都市圏・地方都市)聞き取り調査・アンケート調査を実施し、各集団のビジネスに対するホスト社会側の需要や意識を分析し、同時に、「日本型」エス ニック・ビジネスの地理学的研究の体系化を図る予定であった。なお、令和3年度にコロナ禍における広域移動不可により予備調査が行えなかったため、令和4年度で、予備調査、並びに本調査の一部をWEB調査にて行った。令和5年度ではこの令和4年度に実施した第一回目の本調査について詳細な分析を行い、当初予測していたものに近い結果を得ることができた。ただし、令和5年度に行った分析・解析の中、とりわけ第一回目の本調査ではまだかなりコロナ禍の影響が残っていることが明らかとなった。そのため、今年度予定している第二回目の本調査の設計内容並びに実施期間の再検討も、今年度の研究に含めて行なっていきたい。 また、令和3年度に行った先行研究や理論の整理等により、「日本型」エスニック・ビジネスの地理学的研究の体系化に向け た知見等が得られたため、今年度は学会発表並びに、学会誌への投稿、分担執筆の書籍での公開を行った。今後も、本調査を進め、本調査における分析と知見を踏まえた上で学会発表や学 会誌への投稿を引き続き進めていきたい。
|