研究課題/領域番号 |
21K01060
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
浅川 泰宏 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (90513200)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 巡礼 / 聖地 / リモート参拝 / COVID-19 / 開帳 / 聖年 / 杖立 / 弘法大師御誕生1250年 / 弘法大師御誕生1250 / オンライン法要 / 遙拝 / オンライン化 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを契機として急速に拡大する「オンライン化」による巡礼文化の変容を、現地調査によって事例を収集して考察する。 札所寺院のリモート参拝や地元有志の巡礼動画リレーなど、コロナ禍に登場した新しい活動を手掛かりに、「賜弘法大師号1100年」や「弘法大師誕生1250年」という祝祭に着目しながら、オンライン化が創り出す巡礼文化の社会的意味を、参与観察やインタビューを踏まえた宗教民俗学的手法で明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、聖地のリアリティや道中のプロセスを経験的に理解する機会を消滅させる巡礼のオンライン化という現象に注目し、ヴァーチャル化した聖地と、日常世界から遠隔的にアクセスする巡礼者が直結されるという新たな現象を読み解く枠組みを構築することである。具体的には(1)巡礼のオンライン化と向き合う心象の調査、(2)「聖年」関連イベントのオンライン企画の調査、(3)写し巡礼におけるリモート要素の再検討などを通して、巡礼は聖地と巡礼路と巡礼者の不可分の三要素で構成されるという従来の基本的枠組みを学術的な再考を目指す。 2023年度は、上記(2)に関連して、新型コロナウイルス感染症の影響下での聖年関連イベントの実施例として、2023年が当年となる「弘法大師御誕生1250年」の現地調査に注力した。前期は、善通寺、海岸寺、出釈迦寺などの弘法大師の誕生あるいは幼少期の伝承を持つ寺院、および高野山、京都等の真言宗の本山寺院において、後期は四国八十八カ所、四国別格二十霊場の各札所寺院を中心に集中的な調査を行い、それぞれコロナ禍での感染対策の実施状況や5類感染症移行後の再変容、リモート・オンラインの活用状況、またオンライン化されない現地やモノへのこだわりについての事例収集を行った。このうちモノについては特に前年度の研究で重要性を指摘した杖立の設置状況や現状についての事例収集を行った。また(3)については、東京で開催された西国・坂東・秩父の百観音霊場出開帳の事例を調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は本研究の主な研究対象のひとつである「弘法大師御誕生1250年」の当年であり、同聖年に関する現地調査に注力する予定であった。四国霊場や真言宗の本山寺院を中心に予定していた調査を遂行できたことから、概ね順調に進捗していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行によって、コロナ禍という特殊な状況は一段落したと考える。今年度はコロナ禍での巡礼の状況を調査データに基づいて整理すると共に、コロナ禍前後で巡礼文化がどのように変容したのか、また変わらなかったのかを総括する。
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