• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ミエン(ヤオ)の歌謡の歌謡語・修辞法・歌詞の旋律配置・応用に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K01078
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分04030:文化人類学および民俗学関連
研究機関東京学芸大学

研究代表者

吉野 晃  東京学芸大学, 教育学部, 名誉教授 (60230786)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードミエン / 歌謡 / ミエン歌謡語語彙 / ミエン口語語彙 / 儀礼テクスト / 定詞歌 / 即興歌 / 語彙素性 / 歌 / 漢語 / ミエン口語 / ミエン歌謡語 / 語彙の素性 / テクスト化 / 歌謡語 / 修辞法 / 歌謡の儀礼への応用
研究開始時の研究の概要

本研究はタイとベトナムにおけるミエンの歌謡の言語学特徴を明らかにすることを目的とする。ミエンの歌は口語とは異なる歌謡語を用いて唱われる。本研究では歌詞のテクストと即興歌唱のデータを収集して以下の分析を行う。(1)歌詞の発音と意味の解読を行う。その作業過程で歌謡語語彙を抽出し、漢字との対応と用法とを分析して歌謡語語彙の全体像を把握する。(2)歌詞を分析してミエンの歌の修辞法の特徴を解明する。(3)実際の歌唱における歌詞と挿入音節の旋律配置の規則性を見いだす。(4)ミエンの新宗教現象における歌による託宣と儀礼執行時の歌の歌詞を解読し、歌謡を儀礼に応用した新形式の儀礼の意味を解明する。

研究実績の概要

2023年度は、タイへ調査に出かけることが可能となり、(1)新たな定詞歌(既存の歌詞がある歌)の歌詞の蒐集・発音・解釈・語彙素性分析、(2)女性シャマンが歌を使う儀礼の観察記録、(3)以前蒐集した即興歌の歌詞の発音と意味の確認と語彙素性分析、(4)即興歌の記録、(5)歌謡語語彙の抽出といった作業を行った。これらは主に現地調査の形で行った。6月と9月には、ナーン県のミエン村落で(1)新たな定詞歌の歌詞「趙富安旺的歌」を蒐集し、発音と意味の確定作業と語彙素性の分析を行った。それに加えて以前蒐集した「五月捨傳出来的歌」の発音の確定と解釈作業・語彙素性分析も行った。「趙富安旺的歌」と「五月捨傳出来的歌」は紀要等に発表した。また、別の定詞歌「伯偕趙氏劉氏古圖」を蒐集した。11月から12月にかけては、パヤオ県のミエン村落で(3)即興歌の歌詞を蒐集し、(4)即興歌の発音確定と解釈の作業を行った。それに加えて、比較的簡易な儀礼のテクストを分析し、簡易な儀礼のテクストに歌謡語語彙が多くふくまれていることを確認した。この作業結果も発表した。2024年2月にはチエンラーイ県のミエン村落で(2)女性シャマンが歌を使う儀礼を観察し、その儀礼執行状況の変化を確認して、映像を記録した。
定詞歌の蒐集と発音・意味確定・語彙素性分析作業と歌謡語語彙抽出は順調に進んでいる。しかし、昨年度前半まで現地調査不可能であった事態を反映して、即興歌の蒐集と発音・意味確定の作業が遅れている。これらが完了しないため歌詞の旋律配置や韻律の分析に至っていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

上に述べたように、定詞歌の蒐集と分析は進んでいるが、即興歌の蒐集と分析が遅れている。2021年度~2022年度前半にかけて新型コロナウィルスによる日泰両国における入国制限のため、現地調査に行けなかった。これは即興歌の歌詞の採集に大きな遅滞をもたらした。
定詞歌(既存の歌詞がある歌)は、漢字で書かれた歌詞テクストを写し、発音を記して解釈を施せば良いのであるが、即興歌の場合は既存の歌詞がなく、歌の音データから歌詞の発音を聞き取り、更にそれに基づいて歌詞の文字起こしを行い、意味を確定してゆくため、最初のデータ記録から数度の現地調査による確認作業が必要となる。これを1年半行えなかったのは、大きな痛手であった。現在は上記の発音の確認と文字起こしを行っている段階であり、論文等に発表できる段階ではない。

今後の研究の推進方策

今後は定詞歌の歌詞蒐集と発音確定・解釈の作業を進めるとともに、即興歌の発音確認・文字起こし・解釈作業を進める予定である。特に後者は先に述べたように、甚だしく遅れているので、全力を尽くして回復するように調査する

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (9件) (うちオープンアクセス 9件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] タイ北部のミエンにおける歌と歌謡語(6) ―「五月捨傳出来的歌」の発音,注釈,転生観および修辞法 ―2024

    • 著者名/発表者名
      吉野 晃
    • 雑誌名

      東京学芸大学紀要 人文社会科学系

      巻: 75 ページ: 231-252

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] タイ北部のミエンにおける歌と歌謡語(7)―「趙富安旺的歌」の発音と注釈2024

    • 著者名/発表者名
      吉野 晃
    • 雑誌名

      瑶族文化研究所通訊

      巻: 10 ページ: 88-112

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] ミエンの『尚鬼(家先)書』の二種類のテクスト2024

    • 著者名/発表者名
      吉野 晃
    • 雑誌名

      瑶族文化研究所通訊

      巻: 10 ページ: 113-146

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 『親家礼書』の三種のテクスト2023

    • 著者名/発表者名
      吉野晃
    • 雑誌名

      瑶族文化研究所通訊

      巻: 9 ページ: 53-87

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「定詞歌と即興歌の間に」補遺―「唐王歌」のJ語彙分析―2023

    • 著者名/発表者名
      吉野晃
    • 雑誌名

      瑶族文化研究所通訊

      巻: 9 ページ: 88-96

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 資料 漢字化しにくいミエン語の歌詞の例2023

    • 著者名/発表者名
      吉野晃
    • 雑誌名

      瑶族文化研究所通訊

      巻: 9 ページ: 97-99

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 定詞歌と即興歌の間に―タイ北部,ミエンの歌謡における歌詞の多様性―2022

    • 著者名/発表者名
      吉野晃
    • 雑誌名

      東京学芸大学紀要 人文社会科学系Ⅱ

      巻: 73 ページ: 101-118

    • NAID

      120007187648

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 飄遙過海神話を伝えるメディア2021

    • 著者名/発表者名
      吉野 晃
    • 雑誌名

      瑶族文化研究所通訊

      巻: 8 ページ: 16-26

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] ミエン歌謡における歌謡語語彙―歌謡語語彙と推定される語彙の抽出―2021

    • 著者名/発表者名
      吉野 晃
    • 雑誌名

      瑶族文化研究所通訊

      巻: 8 ページ: 188-192

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 即興歌と定詞歌の間に―タイ北部、ミエン歌謡の歌詞の多様性―2021

    • 著者名/発表者名
      吉野 晃
    • 学会等名
      日本文化人類学会大55回研究大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi