研究課題/領域番号 |
21K01089
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 佛教大学 |
研究代表者 |
孫 潔 佛教大学, 文学部, 講師 (10547326)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 中国 / 辺境 / 政策移民 / アイデンティティ / 辺境支援 / 言語 / 移民 / アイデンティティー / 政策 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、1950、60年代に中国における上海から辺境地域の雲南省へ移動した辺境支援移民を対象とする。当初、移民たちが辺境に移入したり、また50年後彼らの子孫が辺境から上海など内地へ帰還したりする過程において、国家の人々の生活への介入により生まれた政治的アイデンティティと、移民自身や親の出身地により形成してきた地域的アイデンティティがそれぞれいかに構築されており、また歴史的状況の変化にともなって、どのように変容されてきたのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、国家の政策に服従し集団で行動した、政策移民の一種である辺境支援移民のアイデンティティの構築と変容を考察した。政策移民を題材とする映画や移民たちの私信を収録した出版物を分析し、移民たちが異なる水準において、自己アイデンティティを構築してきたことがわかってきた。また実地調査に基づき、移民たち及び彼らの子孫が内地へ戻ってきた経緯や、彼らの言語使用、教育環境を考察した結果、様々な国家の政策が、移民一世のみならず、移民の子孫の世代にも及び、彼らの人生に甚大な影響を与えていることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、これまでに人類学が明らかにしてきた、抑圧された人々の抗争・独立運動によって生まれた政治的アイデンティティとは異なり、国家の政策に服従し集団で行動する政策移民の中に形成されていったアイデンティティの構築と変容を考察した。辺境支援移民のような移動を余儀なくされた人々への考察は、彼らの認識変容の実態を明らかにするとともに、国家と移民との関係を再検討し、従来の移民研究に新しい視座からの知見を補うことができた。
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