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山岳宗教としての修験道の「文化的景観」化をめぐる問題の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K01090
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分04030:文化人類学および民俗学関連
研究機関龍谷大学

研究代表者

田中 滋  龍谷大学, 公私立大学の部局等, フェロー (60155132)

研究分担者 吉田 竜司  龍谷大学, 社会学部, 教授 (10291361)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード修験道 / 観光化 / 文化的景観 / オーソプラクシー / 大峰山 / オーセンティシティ / ジェントリフィケーション / 世界遺産 / 大峰 / 山岳宗教
研究開始時の研究の概要

全国各地から大峰山を訪れる山上詣りは、<聖=非日常>の中で営まれる<苦行と乱痴気騒ぎ>のダイナミズムによって特徴づけられる。しかし、山上詣りの宿坊街の観光地化と観光客の眼差しは、乱痴気騒ぎが繰り広げられる歓楽街を「聖地」にふさわしくない「猥雑なもの」として排除することを求める(ジェントリフィケーション)。
大峰山麓の宿坊街である洞川地区(奈良県天川村)を調査対象地とし、(1)修験道の文化的景観化や観光化がもたらす影響や諸問題を明らかにし、(2)それらの影響や諸問題から修験道の特性を逆に明らかにし、(1),(2)を元に、(3)修験道などの「行」をともなう宗教と観光の新たな関係の可能性を模索する。

研究実績の概要

2023年度は、コロナ禍の収束によってようやくにして三大霊山のひとつである出羽三山(山形県)に調査に入ることができた。明治初期における出羽三山における修験道への弾圧の激しさを昨日の出来事のように語る住職たちの言葉に歴史の重さを感じた。
出羽三山での調査で気付いたことの一つは、修験道に対する弾圧の歴史を研究する上で霊山の土地所有問題が非常に重要である可能性である。霊山の土地所有問題、言い換えれば修験道寺院が所有する林野が明治初期に誰の所有に帰したのかを調べることが、神仏分離令発出の数年後になぜ修験禁止令を敢えて発出したのかという疑問に答える可能性、二つの法令発出の意味を探ることに繋がる可能性である。
2024年3月の年度末には、大峰山の調査をおこない、さっそく大峰山の土地所有の変遷について何人かのインフォーマントから貴重な情報を得ることができた。また、この土地所有問題が大峰山への現在の中心的な登拝基地となっている洞川(奈良県天川村)の観光地としての賑わいにどのような繋がりがあるのかについての考察を深めることができた。それは、出羽三山の手向の文化的景観と洞川のそれとの比較にもとづくものである。
文献研究としては、各地の修験関係の史資料を収集すると同時に、その分析を進め、各地の霊山における聖職者と信者との関係を明らかにする作業を進めたい。また、宗教においてオーソプラクシーがもつ意味やオーソプラクシーとオーソドキシーの関係についての理論研究を深めることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

令和5年度は、研究協力者などと実施を予定していたフィールド調査をほぼ行なうことができた。しかし、過年度におけるコロナ禍の影響のため、研究期間を令和6年度まで延長し、計画の完遂を目指すこととした。

今後の研究の推進方策

2024年度は、大峰山における土地所有問題を洞川ばかりではなく、もう一つの登拝基地である吉野町(奈良県)からも調べ、それらが大峰山における修験道の動向に与えた影響を掘り下げていきたい。
文献研究としては、各地の修験関係の史資料を引き続き収集すると同時に、その分析を進め、各地の霊山における聖職者と信者との関係を明らかにすることに務めたい。また、宗教におけるオーソプラクシーが近現代における行動原理とどのように違うのかをさらに探求していきたい。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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