研究課題/領域番号 |
21K01104
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
金山 直樹 慶應義塾大学, 法務研究科(三田), 名誉教授 (90211169)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ポルタリス / 民法典 / 近代法 / フランス法 / 民法 / 立法 / フランス民法典 / フランス革命 / 家族法 |
研究開始時の研究の概要 |
『民法典序論』は、決して、単なる過去のテクストの一つではない。フランス革命が一切の近代的なるもの偉大な源泉であるのと同様、近代法の偉大な源泉というべきだからである。その想像力と構想力の源泉としての意味を鮮明に示すことが、本研究の最終目標である。 2021年は、時あたかもナポレオンの没後200年を迎えている。この記念すべき年を皮切りに、近代の原典というべき『民法典序論』の価値が再評価され、近代の価値を再評価する作業は、独裁体制の隆盛が見られる現代においては、とくに大切だと考える。
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研究実績の概要 |
肝心の『民法典序論』の翻訳の刊行の見通しがつかない状況であったが、複数の出版社と口承した結果、日本評論社から出版できることになった。同社からは、2023年度中に刊行される予定である。その間に、翻訳および訳注を全面的に見直すとともに、刊行版に付ける「解説」の内容を充実させることに努めた。そのため、関係する文献をほぼすべてを消化し、法制史のみならず、広くフランス史についての知見を広めるとともに、ポルタリスに多大な影響を与えたルソーおよびモンテスキューの思想との関連についての研究を進めた。 シンポジウムに向けて発足した「ポルタリス研究会」は、定期的に開催され、ゲストを呼ぶなどして、法制史学会での発表に向けての準備を進めた。法制史学会でのシンポジウムが、予定していた2023年度にではなく、2024年度になったため、かえって多くの準備研究会を重ねることができた。 なお、申請者自身、2023年4月から、パリの国際大学都市にある日本館に館長として赴任することになった。そこで、2022年度に予定していた現地調査については、館長職を始める直前の1週間に時期を設定し、集中して行った。破毀院、国民議会、コンセイユデタ、学士院などの図書館、および、国立公文書館を順次訪問して、民法典草案の正式初版、および、ジャックミノ草案の刊行時期の特定を試みた。 また、2023年度開催の上記シンポジウムに向けて、アルペラン教授と具体的な話を進め、5月20日ころから来日し、シンポジウムの開催地だけでなく、東京・仙台・札幌でも講演会を開催する方針を決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
翻訳を出版してくれるところがなかなか見つからなかったため。とくに、I社には、社内的な検討のため、1年近くまたされたあげくに、出版しないとの回答を得たが、それによって半年が失われたに等しかった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年4月1日から、パリの日本館館長に就任したので、その地の利を活かして、研究活動に邁進したい。すでに担当する司書の方々ともメールが通じるようになったので、未だ確たることは言えないが、今後は、国立図書館も含めて、アクセス可能なすべての資料を閲覧して、当面の課題を処理したい。 また、研究協力者のアルペラン教授とは、日常的に接触することができるので、これまで溜まっている疑問点を一つ一つ示して、ポルタリスの論の理解を深めたい。
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