研究課題/領域番号 |
21K01105
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
神野 潔 東京理科大学, 教養教育研究院神楽坂キャンパス教養部, 教授 (40409272)
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研究分担者 |
高橋 周 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (10339731)
岡崎 まゆみ 立正大学, 法学部, 准教授 (60724474)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 法学史 / ロースクール / 留学 / 思想形成 / キャリア / 法思想史 / 金子堅太郎 / 岡田泰蔵 / 経済思想史 / 明治・大正期 / 思想 |
研究開始時の研究の概要 |
明治・大正期にアメリカのロースクールで学んだ日本人留学生に注目し、まずは、その氏名と人数、留学の時期、行き先の大学等をデータとして把握する。その上で、経験としての留学が彼らの思想形成にどのような影響を与えたか、留学と帰国後のキャリアとにはどのような結び付きがあったか、などについて具体的に検討する。在外史料を多く用いて、日本人留学生が出会った教員や履修講義などに関する情報を蒐集するとともに、帰国後の著作や履歴に関する調査を行う。留学と思想・キャリアの関連性・特徴・傾向を、ドイツ・フランスに留学して法学を学んだ人物たちと比較しつつ、彼らが明治・大正期の日本において果たした社会的役割を考察する。
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研究実績の概要 |
本研究は、明治期において日本からアメリカロースクールに留学した人物について、A:個々人の基礎データの収集・整理、B:留学先で受けた講義・試験などの調査・分析、C:帰国後のキャリア形成や思想的影響についての調査・分析、という3つを行うものである。 2023年度は、研究代表者・研究分担者3人の共通する研究対象として、金子堅太郎(ハーバード大学で学び、帰国後は官僚・政治家として活動)について、上記BとCとの結びつきを検討し、金子の思想の背景に存在するロースクールでの学習(履修科目・担当教員)に注目して、学会で発表した。また、金子の留学関係の著作である『米国留学懐旧録』などについて、その直筆原稿を入手し、修正や書き込みなどについて調査し、留学記録の作成過程について検討するとともに、デジタル化する準備を進めた(2024年度中に公開の予定である)。また、やはり研究代表者・研究分担者3人の共通する研究対象として、岡田泰蔵(イェール大学で学び、帰国後は神戸で弁護士として活動。郡是製絲と深い関わりを持つ)の調査を開始した。その他、2022年度に引き続いて、アメリカの各大学が所蔵する史料(Catalogue and Announcementsなどの要覧など)を用いて、留学者と、彼らに関わる科目・内容・担当者の検出作業を行なった。 各自の調査(上記の金子堅太郎のように、具体的な人物を取り上げ、上記BとCとの結びつきについて研究する)について、成果報告をする機会として、対面・オンラインでの研究会を継続的に開催している。この研究会での成果は、網羅的に検出したデータについてはウェブ上で公開し、またこれらのデータを基盤とした各自の研究は論集として刊行する計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、金子堅太郎・岡田泰蔵についての調査・研究を進め、特に前者については学会発表の他、史料のデジタル公開の準備を進めることができ、大きな進展があった。また、ウェブサイト(データベース)を用いた史料・データ収集もについても、成果を挙げることができている。しかし、海外旅費高騰の影響があって長期の海外調査が難しく、全体としては本来予定したよりも遅れが生じている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の「今後の研究の推進方策」に、国外での出張調査を行なっていきたい旨を記載したが、上記の通り海外旅費高騰の影響もあって長期の調査を実現することが難しかった。2024年度については、それを実現し、これまで収集してきた史料・データをさらに豊かにすることを目指したい。 研究成果はウェブと論集とにおいて、公開の計画である。2024年度については本研究会のウェブサイトを完成させ、成果や公開可能な史料をアップしていく。また、論集については、研究代表者・研究分担者3人だけではなく、アメリカロースクール留学者を直接的・間接的に扱った研究者にも執筆を依頼していく計画であり、研究者のネットワークの構築にも力を入れていきたい。
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