研究課題/領域番号 |
21K01106
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
岡崎 まゆみ 立正大学, 法学部, 准教授 (60724474)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 帝国日本 / 法の伝播 / 植民地法 / 北海道 / アイヌ / 司法行政 / 移民 / 多文化共生 / 近代法 / 内国植民地 / 民事判決原本 / 法曹 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、(「外地」に限らない)帝国日本による異民族統合の過程に注目し、特に明治~大正期・北海道の、先住民アイヌの社会における近代法の伝播・展開、およびそれに対するアイヌ社会の反応を、民事裁判記録をはじめとする法律文書を通じて明らかにしようとするものである。法史学の学問的手法を通じて、所与のものとされてきた国民国家としての〈日本〉のかたちを、多文化共生の観点から問い直す点に、本研究のねらいがある。
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研究実績の概要 |
本研究は、いわゆる「外地」に限定されない“帝国”日本による異民族統合の過程に注目し、特に明治期から大正期にかけての北海道の先住民アイヌ社会における近代法の伝播・展開、およびそれに対するアイヌ社会の反応を、民事裁判記録をはじめとする法律文書を通じて明らかにし、所与のものとされがちである国民国家としての〈日本〉のかたちを、多文化共生の観点から問い直そうとするものである。 この問いを明らかにするために、本研究では①北海道における内地からの移民とアイヌとの間に生じた法的紛争の内容や傾向、時期・地域的特徴、②文字を持たないとされるアイヌに対し、近代法との接触(たとえば契約文書の作成や裁判所への出廷等)を媒介した「法律家」(「法律家」的なものも含む)の存在とその活動、③近代法と接触したアイヌ社会に対する裁判所の姿勢(特に明治政府にとって「新領土」であった北海道という地域性をふまえて)、という3つの論点を中心に分析を進めている。 22年度は、前年度に引き続き主に当該時期に設置された北海道の裁判所(③)に関する資料収集・分析、および(出張を伴わずに閲覧可能な)データベースを用いて在野法曹を中心とした北海道社会への反応(②)に関する資料収集を進めた。特にアイヌ社会に対する裁判所の姿勢を考察するため、当該時期に北海道(必要上、東北・北陸地方等も含む)に在任した判事の来歴他の情報を網羅的にデータ化した。このデータを利用した、該当判事たちの特徴・傾向に関する分析結果を23年度中に公開予定である。 なお22年度末より、新型コロナウイルス感染症の影響から事実上実施困難が続いていた国内出張・海外渡航を伴う調査が実施可能な情勢へ好転したことを受け、23年度は都内以外に所在する関連資料(特に①②について)の調査収集・整理・分析をこれまで以上に可能な限り優先して進めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響から出張を伴う調査について22年度末まで実施困難な状況が続き、現状として実施できた資料調査が限定的な範囲にとどまっていることから、本研究課題の現在までの進捗状況はやや遅れていると判断した。 ただし、上記③に関連する出張を伴わない調査については前年度に引き続き進捗が芳しく、22年度中には成果報告が叶わなかったが23年度中には公開できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の影響によりこれまで実施できずにいた出張を伴う調査について、23年度は実施可能な情勢へ好転したことから、本来22年度までに予定していた都内以外の所蔵資料の調査を可能な限り優先して実施する。 またこのような情勢の変化に伴い今後の調査・分析の見通しが立ち始めたため、研究内容も基本的に当初の研究計画に従って進めることとする。
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