研究課題/領域番号 |
21K01112
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山本 展彰 大阪大学, 社会技術共創研究センター, 特任助教(常勤) (40883210)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 法的因果関係 / 事実的因果関係 / 因果関係 / 介入主義 / 反事実条件文 / 条件関係 / 単称因果関係 / 因果モデル |
研究開始時の研究の概要 |
従来の法的因果関係論には、事実的な因果関係の有無を判断するために用いられる反事実条件文への批判や自然科学的因果関係との相違といった課題がある。これらの課題に対応するためには、法的因果関係の構造を明確化することが必要である。本研究の目的は、近年の哲学における因果関係論で有力な介入主義を応用することで、法的因果関係の構造を明確化することである。介入主義は、因果モデルの構築により、一般的な因果関係の法則と個別具体的な出来事間の因果関係の構造を明らかにしようとする立場である。本研究では、①介入主義の精査、②単称因果を対象とした構造方程式の変数の解明、③因果モデルの検証と法的因果関係の構造解明、を行う。
|
研究成果の概要 |
本研究では、介入主義を応用して法的因果関係の構造を解明することを試みた。その結果として、現在の哲学における因果関係論の通説的見解である介入主義、特に単称因果関係の理論として有力なJ. Halpernの理論が導入する通常性概念を法適合性概念に修正した理論的基盤を構築し、従来の法的因果関係論では法的因果関係の有無を判断することが困難とされてきた事例においてその構造を提示できることが明らかとなった。また、本研究の過程で、介入主義を応用した法的因果関係論の実践的意義を示すためには、法的因果関係と法的責任との理論的関係性を示す必要があることが明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果がもつ学術的意義は、第一に決定論的事例と非決定論的事例の双方において機能する法的因果関係論の理論的基盤を構築できたこと、第二に現在の哲学における因果関係論の通説的見解である介入主義についてこれまで十分に検討されることがなかった法との接続可能性を開拓したことである。 また、社会的意義は、従来の法的因果関係論では判断が困難であった非決定論的事例において機能する法的因果関係論の理論的基盤の構築により、公害や先端科学技術に関する訴訟における法的因果関係の有無をより精緻に判断できる可能性を示したことである。
|