研究課題/領域番号 |
21K01114
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
五十君 麻里子 九州大学, 法学研究院, 教授 (30284384)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 解放奴隷 / ユスタ事件 / ローマ古典法 / 信託遺贈 / 扶養 / 委任 / ローマ法 / ローマ契約法 / 奴隷と主人 / 庶民の法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「庶民」の多くを占める解放奴隷に焦点を当て、元主人と解放奴隷の関係や解放奴隷を主体とする取引の特徴等を導き、その知見に基づいて、これまでのネガティブな元主人・解放奴隷関係にとらわれず、法と解放奴隷のポジティヴな面も含めた全体像に迫ることを目的とする。この際、法史料のみならず文学史料も渉猟し、かつ国際的な意見交換や共同研究を行なって、研究を学際的・国際的レベルへと引き上げる。
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研究実績の概要 |
本年度の研究成果は、2018年度以来の研究で得られた解放奴隷に関する知見を、1940年代から多くのローマ法学者が研究対象としてきたユスタ事件にあてはめた論考を、ローマ法分野では世界最高峰の学術雑誌Zeitschrift der Savigny-Stiftung fuer Rechtsgeschichte. roemische Abteilung 140 (2023)に、掲載することができたことである。また、同じテーマで日本語でも査読論文とし、ローマ法雑誌第5号に掲載された。 ベスビオ火山の噴火によって埋没したヘラクラネウムで発見された蝋板史料に、少女ユスタを原告とし、解放奴隷であったユスタの母の元主人の未亡人であるテミスを被告とする裁判の資料が残されている。これまでユスタを生来自由人であるとする陳述書はユスタ側の、同人を解放自由人であるとの証言はテミス側の証書であるとされてきたが、テミスの婦女後見人がユスタを生来自由人であると証言し、テミスを裏切ったかに見えるなど、多くの謎が残っていた。そこで、本研究では、ユスタはむしろ解放自由人として、母の元主人の信託遺贈に基づき、寡婦テミスの扶養を受けるべく訴訟を提起したのであり、これら証言はかような原告の主張を退けるための、テミス側の証言であることを解明した。 また、このほか世界のローマ法学会において活発な意見交換を行い、ローマ法学界の展開と同分野における日本のプレゼンス向上にも寄与した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究の過程でユスタ事件と出会い、これまで誰も思いつかなかった解釈を説得的に展開し、世界最高峰の学術誌に掲載することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの解放奴隷に関する研究を今後さらに進展させ、次の研究課題である「解放奴隷のローマ法史ー法主体としての庶民の群像」へと繋げていく。
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