• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

脆弱性を持つ人々の司法アクセス促進要因の探究

研究課題

研究課題/領域番号 21K01115
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分05010:基礎法学関連
研究機関関西学院大学 (2022-2023)
成蹊大学 (2021)

研究代表者

橋場 典子  関西学院大学, 法学部, 准教授 (90733098)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード法認識 / 司法アクセス / 弱い法拒絶 / 法システム / 脆弱性 / 心理的障壁 / 促進要因
研究開始時の研究の概要

本研究は、法システム自体が原理的に内包する排除性と、心理的障壁に代表される当事者が持つ法システムへのアクセス阻害要因との関連に着目し、その悪循環を克服しうる方策を探究するものである。特に当事者に関わる第三者の働きかけがいかにしてアクセス阻害要因を克服しうるのかに焦点を当て、司法アクセス促進要因を追究する。理論的検討に加え、国内外でのフィールドワークを通した実証的分析を踏まえ、脆弱性を持つ人々がいかにして司法アクセスを実質的に確保できるのかを解明する。

研究実績の概要

法システムの存在と当事者による法システムの活用との間には大きなギャップがある場合がある。司法アクセスの拡充のためには、既に様々な施策が展開されているものの、いまだ残されている課題がある。その一つが、本研究で焦点を当てる脆弱性を持つ人々の法認識と法活用との間にあるギャップである。とりわけ何かしらの脆弱性を抱えている場合には、脆弱性を抱えていない場合と比較して法システムへのアクセスにより多くの障壁が存在していると思われる。そもそも、法的トラブルに直面していること自体に気が付かない場合もあるし、気付いていても法的救済や「支援」を拒絶する場合もあり得る。このような研究関心のもと、本研究では法システム活用に際して重要となってくるであろう心理的側面に焦点を当て、システムが原理的に内包する排除性の克服がいかにして可能かについて、実証的・理論的に解明することを目指すものである。

2023年度は、2022年度に引き続き、法システムが内包する排除性のジレンマの存在とその緩和に焦点をあて研究を実施した。具体的には、法システムへのアクセス障碍の克服にある程度成功していると思われる事例に赴き、聴き取り調査を実施した。その結果、法的トラブルへの気付き自体はあっても法システムへのアクセスを避けている場合(弱い法拒絶)には、法関連機関や行政機関、法専門職らに対する心理的障壁がある点が示唆された。加えて、本年度に実施した、法的ニーズの認識自体に困難が生じる場合の聴き取り調査からは、司法ソーシャルワーク等の先駆的取り組みが展開されている一方で、その継続性に対する課題も析出された。
次年度は、この間に蓄積してきた研究視座の整理をするとともに、本研究課題の研究成果のまとめと成果公表に当てる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定していた文献調査及び実証的調査が遂行できたため。

今後の研究の推進方策

今後は本研究の計画に沿って文献調査及び実証的調査を遂行していく。コロナ禍により実施が困難であった調査先にも調査に赴く予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 図書 (8件)

  • [雑誌論文] 民事法律扶助制度利用の躊躇要因2024

    • 著者名/発表者名
      橋場典子
    • 雑誌名

      自由と正義(日本弁護士連合会編)

      巻: 75(1) ページ: 33-40

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Mapping desistance research: a systematic quantitative literature review from 2011 to 20202024

    • 著者名/発表者名
      Sho Sagara, Masahiro Suzuki, Noriko Hashiba, Nozomi Yamawaki, Yuji, Takenaka
    • 雑誌名

      Journal of Offender Rehabilitation

      巻: 63(3) ページ: 171-187

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 子ども向け法教育プログラムの意義と可能性2023

    • 著者名/発表者名
      橋場典子
    • 学会等名
      日本司法福祉学会第23回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 治療的司法における弁護士活動の現状と課題2022

    • 著者名/発表者名
      橋場典子
    • 学会等名
      日本法社会学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 日本の青少年の行動と意義2024

    • 著者名/発表者名
      津島昌寛,上田光明,相澤育郎・大塚英理子,都島梨紗・森久智江,岡邊 健,竹中祐二,大江將貴,齋藤尭仁, 相良 翔,橋場典子・津島昌寛,我藤 諭,大谷彬矩,松川杏寧,久保田真功・作田誠一郎,津富宏(ISRD-JAPAN 実行委員会編)
    • 総ページ数
      259
    • 出版者
      現代人文社
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] ディスカッション法と社会2024

    • 著者名/発表者名
      原田綾子,土屋明広,田巻帝子,久米一世,紺屋博昭,緒方賢一,小佐井良太,山口絢,小川祐之,高村学人,亀岡 鉱平,髙橋満彦,東郷佳朗,上地一郎,一家綱邦,志賀典之,宗野隆俊,秋葉丈志,郭薇,橋場典子,山田恵子(飯 考行編)
    • 総ページ数
      301
    • 出版者
      八千代出版
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 法社会学の最前線2023

    • 著者名/発表者名
      飯田高,船越資晶,吾妻聡,橋場典子,岡沢亮,阿部昌樹,森大輔,仁木恒夫,渡辺千原,林政佑,佐伯昌彦,藤田 政博,小宮友根,平田彩子,井上由里子・佐々木通孝・吉岡(小林)徹,高橋裕,見平典(日本法社会学会 編)
    • 総ページ数
      354
    • 出版者
      有斐閣
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 手続利用者からみた民事訴訟の実際2023

    • 著者名/発表者名
      垣内秀介, 石田京子, 山本和彦, 山田文, 今在 慶一朗, 田村陽子, 橋場典子,手賀寛,堀清史, 内海博俊, 佐瀬裕史, 勅使川原和彦, 竹部晴美(菅原郁夫・垣内秀介・石田京子・山田文編)
    • 総ページ数
      261
    • 出版者
      商事法務
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 現代日本の紛争過程と司法政策―民事紛争全国調査2016-20202023

    • 著者名/発表者名
      橋場典子ほか(佐藤岩夫・阿部昌樹・太田勝造編)
    • 総ページ数
      754
    • 出版者
      東京大学出版会
    • ISBN
      9784130361583
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 未来法学2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤義明・藤井樹也・巽 智彦・安部圭介・橋場典子ほか
    • 総ページ数
      366
    • 出版者
      有斐閣
    • ISBN
      9784641126343
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 民事訴訟の実像と課題2021

    • 著者名/発表者名
      菅原 郁夫、山本 和彦、垣内 秀介、石田 京子
    • 総ページ数
      302
    • 出版者
      有斐閣
    • ISBN
      9784641138599
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 公正な法をめぐる問い2021

    • 著者名/発表者名
      菅原 寧格、郭 舜
    • 総ページ数
      368
    • 出版者
      信山社出版
    • ISBN
      9784797228250
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi