研究課題/領域番号 |
21K01120
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 桃山学院大学 |
研究代表者 |
早川 のぞみ 桃山学院大学, 法学部, 准教授 (50531852)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 法解釈方法論 / 道徳的解釈論 / オリジナリズム / ドゥオーキン / アレクシー / スカリア / 新オリジナリズム / R.ドゥオーキン / R.アレクシー / 道徳的原理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「法の解釈の方法に関する理論の研究」をテーマとする。 裁判実務に携わる裁判官は、個々の政治的なイデオロギーとは別に、「法を如何に解釈すべきか」に関して異なる法解釈論上の立場をそれぞれ有しており、裁判官の判決形成の正当性に適う法解釈の法理の解明が課題である。本研究は、法とは個人の権利や正義といった道徳的な「原理」であり、法解釈とはかかる「原理」の実現であると理解する道徳的な法解釈論について、近時のアメリカ合衆国において展開する「新オリジナリズム」という対立的な法解釈論をめぐる議論状況の中で比較・検討することで、個人の道徳的な権利を保障する合理的な法解釈論の意義と可能性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、法とは個人の権利や正義といった道徳的原理の実現であるとする道徳的解釈論の意義と可能性について解明することにある。本研究では、一つに、近時英米圏で注目されるR.アレクシーを中心とした原理に訴える道徳的解釈論の議論展開を紹介・検討した。もう一つに、アメリカ合衆国ないにおける最近のオリジナリズムをめぐる議論を取り上げた。オリジナリズムは、法とはルールであり、法解釈とは制憲者意思の解明であるとする解釈論を提唱するが、これは、R.ドゥオーキンの道徳的な解釈論とは対立的な立場をとる。かかる二つの対立的な法解釈論を比較して、それらの理論的・実践的な特徴と違いを考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
法を如何に解釈すべきかをめぐり、2023年にアメリカ合衆国連邦最高裁判所は、女性の中絶の自由は憲法上の権利であるとする先例を大きく判例変更した。そこでは、憲法という法を如何に解釈すべきかに関して、裁判官の個々の政治的イデオロギーとは別に、それぞれの法理論・法解釈論上の立場の違いがあるというのが、本研究の基本的な視座であり、その一端を理論的に解明することができた。法解釈の在り方は、国内においても、例えば同性婚訴訟といった法解釈が分かれる困難な事例で直面する問題であり、本研究は、かかる法的問題の解明へ向けた理論的な視座の一つを提示できる点にその意義があると考えている。
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