研究課題/領域番号 |
21K01136
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
松本 哲治 同志社大学, 司法研究科, 教授 (40289129)
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研究分担者 |
御幸 聖樹 同志社大学, 司法研究科, 教授 (20634009)
奥村 公輔 成城大学, 法学部, 教授 (40551495)
高橋 正明 明治学院大学, 法学部, 准教授 (50757078)
土井 真一 京都大学, 法学研究科, 教授 (70243003)
石塚 壮太郎 日本大学, 法学部, 准教授 (90805061)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 救済法 / 憲法 / 人権 / 司法権 / 国際人権法 / 救済 / 裁判 / 違憲審査 |
研究開始時の研究の概要 |
「救済法」、すなわち、「原告が裁判所において然るべき訴訟手続に従い実体的権利を確定した場合において、原告に与えられるべき救済手段(relief)の性質と範囲に関わる」法について、英米法に属する諸外国の議論と救済法という法領域を有しない大陸法に属する諸外国の議論との比較分析を基に(i)日本国憲法の下での体系的な理論の整理を目指すとともに、(ii)個別領域における裁判所による具体的救済手法のあり方を検討する。 本研究は、特に憲法訴訟において救済方法が問題とされている近時の判例の動向を踏まえ、それらの個別問題の背後にある理論体系、ひいては、わが国の違憲審査制のあるべき姿を問い直すものである。
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研究実績の概要 |
前年度までに引き続き、各国憲法および国際人権法における救済法のあり方について、判例や実例における救済の展開を広く調査するとともに、救済のあり方について、個別具体的な救済と、制度的な救済との理論的な区別も踏まえた基礎的な知見について研究を進めている。 本年度は、①救済の重要性と複線的構造、②個別的及び制度的な救済に対する複線的アプローチおよび③仮の救済、④人権を侵害する法律に対する救済手段および⑤人権救済のための公法上の損害賠償の発展可能性をテーマとする研究会を合計3回開催し、議論を行った。広い範囲の比較法対象国を分析の対象としてとりあげている。 また、在外日本国民最高裁判所裁判官国民審査訴訟上告審判決が、在外日本国民選挙権訴訟における地位確認の請求認容という救済方法を承認したことに続いて、不作為の違憲確認という救済を認めるという画期的な判断を示したため、これについての分析を行った。立法行為についての国家賠償責任、地位確認請求における本案と本案前の判断の関係の整理についても検討した。さらに、各国におけるのと同様にわが国でも問題となったコロナ禍における規制に伴う補償の問題を学会報告で検討し、別途、社会的文化的諸権利の憲法上権利としての司法的保障について国際学会で概観の英語でナショナルレポートとして提出するなど、救済の問題の研究を進めた。あわせて、平等原則解釈論の再構成と展開について、体系的な研究を、書籍の形で公刊した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
引き続き、比較法的、基礎理論的な研究については、伝統的な大陸法的思考になじんできたわが国法学に理論的な基盤を有しているとは言い難い救済法について、どのように考えるべきかのてがかりを着実に模索していると考えられるが、予定されていた実地に当たっての比較法的な研究は、パンデミックの状況によって、なお立ち遅れているが、次第に再開している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、救済法とはなにかと言うことについて、私法学も踏まえた英米法の基盤に立ち返っての理論的な研究とともに、比較法、国際人権法も広く対象とした現実の有り様についての分析を進めていきたい。実地の比較法研究についても、一部再開できたので、今後はさらに進めていきたい。
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