研究課題/領域番号 |
21K01138
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
中原 茂樹 関西学院大学, 司法研究科, 教授 (60292819)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 行政庁の調査義務 / 行政不服審査会 / 審理員 / 行政不服審査法 / 行政不服審査手続過程 / 職権主義 / 行政過程 / 審査請求 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、2014年に52年ぶりに抜本改正された行政不服審査法の施行から5年が経過したことを踏まえ、その運用実績から明らかになった理論上および実務上の諸課題について、深く掘り下げた検討を行い、実効的な権利救済に向けた制度および運用のあり方を提示するものである。国および地方公共団体における行政不服審査会答申および裁決を検討するほか、ドイツ法も参照し、行政訴訟の審理手続を比較軸とした分析を行うことにより、理論と実務の双方の観点から、あるべき審理・調査検討手続を提示する。
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研究実績の概要 |
最終年度においては、国および地方公共団体の行政不服審査会の答申例および裁決例の分析をさらに進めた。特に国の行政不服審査会は、処分庁および審査庁が必要な調査検討を尽くしたかという観点から調査審議を行い、それが不十分な場合は、審査庁に対し、さらに調査検討を尽くすことを求める答申を出している点に特徴がある。行政不服審査法の重要な目的である簡易迅速性の観点から、処分庁および審査庁が本来行うべきであった調査検討を、審査会自身がすべて行って結論を出すという方法は、基本的に採られていない。そうすると、処分庁が調査義務を尽くしたかどうかが審査会の調査審議の中心的なテーマとなるため、答申例の分析を通じて、処分庁に求められる調査義務の内容・程度(処分の根拠法令等の解釈によって決まると解されるが、明確でない場合が多い)や、処分庁が調査義務を尽くさなかった場合の審査庁の補充調査のあり方(行政不服審査法には明文の規定がなく、解釈に委ねられている)等を明らかにすることができると考えられる(これに対し、取消訴訟等においては、行政庁の調査義務違反が主たるテーマとなることは、それほど多くない)。そのような観点から多数の答申例等の分析を行ったことが、最終年度の主な研究成果である。 研究期間全体を通じて、行政不服審査法等の法令の定めから明らかでなく、裁判例も存在しない、行政不服審査における具体的な審理のあり方について、かなりの程度明らかにすることができた。この成果を基礎として、今後、上記の行政庁の調査義務の問題につき、さらに検討する予定である。
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