研究課題/領域番号 |
21K01150
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 獨協大学 |
研究代表者 |
山田 洋 獨協大学, 法学部, 教授 (20158215)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 気候変動 / 土地利用計画 / 温室効果ガス / 気候変動適応法 / 気候訴訟 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究においては、気候変動によって予想される社会的な影響に適応しうる法制度とくに土地利用に関わる計画法制度のあり方を検討する。「気候変動適応法」が制定され、これに基づく「気候変動適応計画」も決定されるに至った。そこに積極的な意味を見出すとすれば、「あらゆる関連施策に気候変動適応を組み込むこと」となる。国情においても、法制度においても類似する台湾の研究者と協力しながら、あるべき土地利用計画法制の具体的な制度設計を考察する。
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研究実績の概要 |
数年にわたって続いてきた新型コロナ感染症の影響も、2023年度の初めには、ほぼ解消したため、海外への渡航の制限が解消し、本研究においても、ドイツなどでの調査等を本格化することができた。前年度中の2023年2月にドイツにおける文献の調査等を開始したのに続き、2023年8月末から9月初旬にかけて、研究代表者がドイツにおける訪問調査を実施した。今回は、コンスタンツ大学の図書館において、ドイツ等の環境法と行政法に関する最新の文献資料を検索収集するとともに、当地の研究協力者であるマルティン・イプラー教授などと情報共有を行うとともに、今後の研究などについて、打ち合わせを実施した。さらに、今回は、ボン大学にも訪問調査を行い、当地の研究者との情報交換などを実施することができた。ちなみに、ドイツについては、研究代表者は、他資金によるものではあるが、2024年2月にも、本研究と関わる資料収集等を実施している。 一方、台湾については、研究代表者が2023年9月に訪問し、東呉大学において台湾環境資源エネルギー法学会などの主催する研究会で報告する機会を得た。そこでは、「気候変動期の行政法学」と題する講演を実施し、研究協力者を含む多くの台湾の環境法研究者とのディスカッションなどを実施した。この講演については、近日中に、日台両方で公刊される予定である。そのほか、台北市内の世新大学を訪問して、同大学の研究者との情報交換を実施することができた。 そのほか、国内においても、ほとんどは他資金によるものではあるが、本研究に係る資料を収集する一方、研究会などにも参加して、情報の収集に努めてきた。また、ドイツの気候訴訟に関する論文とインフラ計画の策定手続に関する論文を執筆し、それぞれ公刊している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症の影響により、本研究の初年度である2021年度においては、海外の訪問調査等はもちろん、国内の研究会開催等も、ほとんど不可能な状態であった。その影響で、研究が平常化された現状でも、その遅れを完全に回復することは難しく、研究の進行は、なお遅延している。 さらに、本研究のテーマである気候変動対策は、極めて流動的で、変化の激しい分野であるが、コロナ後の近年においても、ウクライナやパレスチナ情勢によるエネルギー事情の逼迫など、これを取り巻く世界情勢も不透明さを増し、本研究の将来を見通すことも、ますます難しくなっている。こうした状況変化の影響も加わって、本研究の進捗についても、一定の遅れが生じていることは否定できない。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間の延長後の2024年度においては、すでに、5月末から、研究代表者が台湾を訪問し、当地の大学を訪問して、当地の複数の研究者と情報交換することを予定している。また、夏には、台湾の研究協力者が来日して、研究会等を開催することも予定している。また、8月には、研究代表者がドイツを訪問し、今回は、コンスタンツ大学のほか、ライプチヒ大学における訪問調査を実施することとし、調整中である。 成果の公表についても、近日中に、気候変動対策に係る論文を公刊するほか、本研究の成果を総括する著書を2024年秋には公刊することで、出版社と準備を進めている。
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