研究課題/領域番号 |
21K01169
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05030:国際法学関連
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研究機関 | 名古屋学院大学 |
研究代表者 |
皆川 誠 名古屋学院大学, 法学部, 准教授 (00386533)
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研究分担者 |
尋木 真也 愛知学院大学, 法学部, 准教授 (00581662)
吉開 多一 国士舘大学, 法学部, 教授 (00739972)
高屋 友里 東京大学, 未来ビジョン研究センター, 客員研究員 (70625938)
瀬田 真 横浜市立大学, 国際教養学部(教養学系), 准教授 (90707548)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 国際犯罪 / 国際法 / 国際テロリズム / 国際組織犯罪 / 宇宙活動における国際的規制 / 海上犯罪 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「国際犯罪」と呼ばれるものの中でもとりわけ空間的拡大を続ける「広義の国際犯罪(国際テロリズム、マネー・ローンダリング、海洋環境犯罪、宇宙犯罪など、国際法上の犯罪の中でも諸国の共通利益を害する犯罪)」について、国際法の各分野および国内刑事法を専門とする研究者の分野横断的共同研究によって、国際法上の包括的な対応枠組を構築することを目的として体系的・総合的に考察するものである。
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研究実績の概要 |
令和4年度は、引き続き研究メンバー各自による個別研究を中心として研究課題への取組みが進められ、それぞれ研究発表および論稿の公表がなされた。 論稿については、テロリズムと麻薬取引との関係に関する論稿(皆川誠・研究代表者)が公表された。皆川論文は、テロリズムと組織的な犯罪活動の結びつきが強まる中、両者の法的な関係性について十分に明確になっていない現状を踏まえ、国際テロリズムとさまざまな国際犯罪との法的関係について検討する端緒として、テロリズムと麻薬取引との関係について考察を行ったものである。現在、違法薬物については、3つの条約を中核として国連の機関等が関わりながら国際的な薬物取締体制が構築されているが、同論文は、この薬物取締体制に基づいて犯罪と麻薬取引を結びつけて行われてきた対応が国際的な批判を受けている点を指摘した上で、薬物関連の取締りを含めたあらゆる違法行為に対する包括的なアプローチを可能とするためには、国際テロリズムや国際的な組織犯罪活動の特質についてより深く分析し、既存の法的な枠組みの分野横断的な適用可能性について検討する必要性を強調した。この他、宇宙活動における国際的規制に関する論稿(高屋友里・研究分担者)が公表された。 また、テロ資金規制の要請と外国人労働者の受入れに伴う日本国内における多文化共生の両立可能性(尋木真也・研究分担者)、宇宙安全保障と国際宇宙法(高屋友里・研究分担者)および国際法における国際テロリズムと国際組織犯罪の関係(皆川誠・研究代表者)に関する研究発表もなされ、学術的研究面において一定の成果を上げることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度も引き続き研究メンバー各自による個別研究が進められたが、とりわけ、組織的な犯罪活動を多角的に分析しつつ、国際法上の枠組みの対応可能性を検討する必要性について重要な示唆が得られたことは、本研究が目的とする空間的把握に基づく国際犯罪への国際法上の対応枠組みの構築に資するものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度の活動を通して、研究メンバー各自による個別研究については、研究目的の達成という点からは順調な進展が見られている。令和5年度は研究課題の最終年度となるが、研究メンバーによる学会・研究会報告および論稿の公表が複数予定されているので、研究会等におけるメンバー間の問題意識の共有を図りつつ、共同研究として十分な成果を残せるよう活動を継続していきたい。
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