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「働く場所」の歴史と法制度の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K01176
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分05040:社会法学関連
研究機関東京大学

研究代表者

水町 勇一郎  東京大学, 社会科学研究所, 教授 (20239255)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード労働法 / 場所 / テレワーク / 労働時間 / フランス法 / 就業場所
研究開始時の研究の概要

本研究は、テレワーク(より広く「働く場所」)を現代的で技術的な事象としてのみならず、産業革命・技術革新等の社会変化のなかでの労働法のあり方そのものにかかわる歴史的な動態という観点から位置づけ、比較法研究を行うものである。
このような観点から考察を行うことにより、テレワークという働き方に適合した法制度の整備・調整を行うという技術的視点だけでなく、第4次産業革命とも呼ばれる社会変化のなかで労働法のあり方自体を歴史的に問い直す法創造的な視点をもつことが可能となるだろう。

研究実績の概要

近年,柔軟な働き方を通じて各人の多様な環境や希望との調和を図りながら能力の発揮や活躍を促すという観点から,テレワークを推進しようとする動きが高まっている。
テレワークとは,情報通信機器を利用して通常の事業場以外の場所(遠隔地)で働くことをいう。その特徴は,勤務場所が自宅やサテライト・オフィスなどの遠隔地にある(自宅の場合通勤を要しない)点にある。厚生労働省は,「テレワーク・ガイドライン」を策定し,労働者がテレワークを行う場合には一般の労働関係法令が適用されることを確認しつつ,その労務管理上の留意点等を定めている。テレワークについても,一般の労働法がそのまま適用される点では通常の働き方と基本的に変わる点はないが,その具体的な適用・解釈にあたって注意すべき点として,以下の諸点がある。
テレワークが常態的に行われる場合には,その導入や運用にあたり,配転と同様に,勤務場所の決定・変更についての契約上の根拠(就業規則の合理的規定等)が必要であると解される。また,その人選等にあたり,短時間・有期・派遣労働者に対する不合理な選別・取扱いがないようにしなければならない。テレワークに要する費用(通信費、機器費用、サテライトオフィス使用料等)については,原則として使用者が負担しなければならないと解されるが,それを労働者に負担させる場合には,就業規則に記載しつつ,労働契約上の明確な根拠が必要である。
労働時間管理については,①使用者はテレワーク中も客観的な方法等により労働時間を適正に把握する義務がある,②テレワーク中の労働者の中抜け時間について使用者は把握せず始業・終業時刻のみを把握することとしてもよい,③勤務時間の一部についてテレワークを行う場合の就業場所間の移動時間については,労働者による自由利用が保障されていない場合には労働時間に該当し,自由利用が保障されている場合には労働時間に該当しない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

働く場所にかかる法政策の歴史と課題について、現在日本で問題となっているテレワークをめぐる問題を中心に分析・検討した。また、働く墓所に関して、農業、家内制手工業、大規模工業、サービス業、情報産業等の歴史的経緯を踏まえた考察を加え、現在のオフィスワークやテレワークをめぐる問題について、歴史的な観点からの意義や課題についても検討を行った。あわせて、フランスにおける議論の状況も参照し、比較法的な考察も深めている。

今後の研究の推進方策

2024年度においては、これまで行ってきた働く場所に関する歴史的・比較法的な考察をとりまとめつつ、現代のテレワークの普及をめぐる法的課題について総合的な考察を行うことを予定している。その成果を、書籍や論文の形で公表するための準備もあわせて進める。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] La Loi portant reforme de la maniere de travailler au Japon : quelques reflexions du point de vue de la judiciarisation2023

    • 著者名/発表者名
      Yuichiro MIZUMACHI
    • 雑誌名

      Ebisu: Etudes japonaises

      巻: 60 ページ: 123-140

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 労働法〔第10版〕2024

    • 著者名/発表者名
      水町勇一郎
    • 総ページ数
      554
    • 出版者
      有斐閣
    • ISBN
      9784641243774
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] デジタルプラットフォームと労働法―労働者概念の生成と展開2022

    • 著者名/発表者名
      石田信平・竹内(奥野)寿・橋本陽子・水町勇一郎
    • 総ページ数
      292
    • 出版者
      東京大学出版会
    • ISBN
      4130361570
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 労働法第9版2022

    • 著者名/発表者名
      水町勇一郎
    • 総ページ数
      514
    • 出版者
      有斐閣
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 詳解労働法第2版2021

    • 著者名/発表者名
      水町勇一郎
    • 総ページ数
      1478
    • 出版者
      東京大学出版会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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