研究課題/領域番号 |
21K01184
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05040:社会法学関連
|
研究機関 | 東京経済大学 |
研究代表者 |
中川 純 東京経済大学, 現代法学部, 教授 (50326534)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 障害者権利条約 / 障害者雇用 / 保護雇用 / 障害支援サービス / タイ / オーストラリア / 障害者 / 授産施設 / 同一価値労働同一賃金 / 一般就労移行 / 雇用 / 介護サービス / 社会保障 / 労働 / 就労移行支援 / 就労系障害福祉サービス |
研究開始時の研究の概要 |
国連障害者権利条約を批准した締約国は、条約に基づく義務の履行のためにとった措置について報告をおこない、その報告に対して障害者権利委員会が勧告をおこなうこととなっている。本研究は、この総括所見における「仕事と雇用(条約27条)」および「充分な生活水準及び社会保障(条約28条)」に関する勧告を現行の障害者雇用政策の枠組みの中で反映させることを目的として、①我が国の政策に対する勧告の影響と意義、②すでに勧告を受けた締約国による、勧告への対応の方法とその内容(政策や実務の変更)、それらを踏まえて、③勧告に対し、我が国がとるべき対応の内容、方法を検討するものである。
|
研究成果の概要 |
本研究は、締約国が障害者権利条約を国内政策に反映させづらいのかを検証するものである。タイの例から、条約に合致する政策を実現するために既存の制度に大幅な変更や予算を要する場合に政策修正に躊躇すること、特に障害政策決定機関が官僚主導型である場合にはその傾向が強まること、政策修正が実現した場合も、予算や負担の少ない方法を選択していることがあきらかになった。オーストラリアの例から、障害者権利委員会による授産施設の廃止や最低賃金の保障などの勧告に対し、政策体系を大きく変えてしまうこと、および勧告の内容に結果を向上させる根拠が明確でないこと、から担当省庁が政策の修正に躊躇していたことがあきらかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
障害者権利条約に関する研究には、障害の人権モデルと接合することにより、障害者のニーズを広くとらえ、そのような政策の実施を政府に強く義務付けるものが多い。これに対し、本研究は、締約国が、政策修正をおこなわない事情について、また修正している事案ではその理由について、その国の社会的、政治的事情と合わせて評価するものである。その意義は、第1に政策の修正が成功した事案から国内政策にその規範を反映させる方法のヒントを、第2に政策の修正がなされない例から、条約の実施手法の課題を、示すことができることにある。
|