研究課題/領域番号 |
21K01220
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
武田 直大 大阪大学, 大学院高等司法研究科, 教授 (80512970)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 約款 / 事業者間契約 / ドイツ法 / 規制緩和 / 比較法 / 約款法 / 民法 / 事業者 / 不当条項規制 / 定型約款 / 契約 |
研究開始時の研究の概要 |
多数の契約を画一的に処理するための契約条項の総体である約款が使用されている場合には、消費者契約だけでなく、事業者間の契約においても、約款使用者の相手方に不利な条項が無効とされる可能性がある(不当条項規制。民法548条の2第2項を参照。)。もっとも、事業者間契約における不当条項規制については、十分な議論が積み重ねられてきたとはいいがたい。これに対して、我が国の約款法に多大な影響を与えてきたドイツにおいては、ここ10余年の間に、事業者間契約における約款規制の緩和が、大きな論点となっている。本研究は、そのドイツの議論状況を分析し、日本法にとっても意義のある知見の獲得を目指すものである。
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研究成果の概要 |
本研究は、2000年代から2010年代にかけてドイツにおいて活発化した事業者間契約における約款規制の緩和論を調査し、その全体像を整理・分析したものである。 この議論は、2002年の債務法現代化を契機として始まったが、法秩序間の競争が意識されるようになったことも、その背景にある。当初は、解釈論の枠内で規制緩和が論じられたが、10年代に入ると、規制緩和のための改正案が相次いで公表されるようになった。もっとも、法改正には反対論も根強く、規制緩和論者が主張する形での法改正は実現していない。 他方、一連の議論は、事業者間契約における約款規制の保護目的論の進展という形で一定の成果を上げた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義としては、第一に、従来から約款法研究において主要な比較対象とされてきたドイツ法の近時の重要な議論について、その全体像を比較的詳細に整理したことが挙げられる。この議論を簡潔に紹介し、または、その一部のみを検討対象とする研究は、これまでも我が国において見られたが、その全体を詳細に扱ったという点に、本研究の新規性がある。 第二に、事業者間契約のいずれの当事者が約款を使用するかによって、異なる規制目的論が成り立つことを示したことも、本研究の意義として挙げられる。この知見は、直ちに日本法の解釈論に寄与するものではないが、我が国でも事業者間契約の約款規制のあり方を構想するうえで参考となる。
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