研究課題/領域番号 |
21K01225
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
長畑 周史 横浜市立大学, 国際商学部, 准教授 (30515078)
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研究分担者 |
小泉 和之 順天堂大学, 健康データサイエンス学部, 准教授 (70548148)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 内部統制 / 内部統制報告書 / 内部統制報告書制度 / 非営利法人 / 地方自治体 |
研究開始時の研究の概要 |
内部統制とは、会社の業務の適正を確保するために会社内に自主的に整備される体制である。その中でも「内部統制報告書制度」は、現在、金商法の適用のある上場会社にのみ義務付けられている制度であるが、投資者に対して財務情報の正確性を担保するだけでなく、不正防止の強化に繋がるため、非営利法人や地方自治体への導入の必要性が指摘されている。そこで本研究は、その有用性と他法人への応用可能性について研究する。
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研究実績の概要 |
2022年度は本研究の2年目に当たる。まずは昨年、産学連携協定により利用可能になるはずだったデータベースであるが、学内のネットワークセキュリティを通過してサーバーにアクセスする設定が複雑であったため時間を要し、同年6月になんとか使用可能になった。しかし、その後、サーバーの機器故障もあったため、同データベースの利用方法の検討は遅れている。 一方で、2021年度に検討を行った、内部統制報告書制度の形骸化という問題の原因が監査報酬が十分に支払われないことにあるのではないかという仮説の検討について、2022年3月26日に開催された東北大学商法研究会にて報告した時に参加者から、監査法人の監査報酬の決定について、監査法人側はどのように価格決定しているのか、またその実際についてはどうなのか調べてみたらどうかとの助言があったため、同年6月に大手監査法人担当者へのヒアリング調査を行った。 また、上述の期間とも重なるが、研究代表者は4月から8月末までブリティッシュコロンビア大学ロースクール附属アジア法研究所に客員教授として研究を行った。受け入れ教員は、松井茂記教授で、アドバイザーを内部統制についての研究も行なってるMaziar Peihani准教授にお願いした。しかし、カナダではロースクールは大学院にしかないため数が限られることから法学研究者の絶対数が少なく、カナダ独自の内部統制研究が活発でないことが分かり、本研究テーマに応用できる知見は得られなかった。 上述のデータベースの利用方法の検討が遅れていることもあり、2021年度に構築したデータベースを利用して、内部統制報告書の形骸化と監査報酬の関係について検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者が在外研究で2022年4月から8月の間、カナダのブリティッシュコロンビア大学ロースクール附属アジア法研究所に客員教授として研究をしていたところ、カナダのベネフィットコーポレーション制度について国際比較を行うシンポジウムでの報告依頼があったため、主にそちらの研究に時間を割かれたことが大きい。また、上述の通り、データベースが利用できるようになるまでにも時間を要し、その後もサーバーの故障などのトラブルもあり、データベースの検討が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
まず、分析作業を効率的に進めるため、研究分担者と研究しているデータサイエンス研究科の大学院生を雇用してデータベースの構築補助をお願いしている。さらに2021年3月に行った研究報告をさらに深めたものを2023年9月の東北大学商法研究会にて報告したいと考えている。 また、当初、研究テーマに設定していた内部統制報告書制度の有効性の実証は、消極的な効果については実証が難しいのではないかとの感触を持っている(ここでは、積極的な効果をガバナンス向上を通じた企業の収益力向上と捉え、消極的な効果を不正の未然防止と捉える)。積極的な効果については先行研究も存在するが、少なくとも会社法の観点から同制度を見た場合に、同制度の主目的は不正防止であることは疑いが、その実証は内部統制が有効に機能すればそもそも不正が発生しないため、その効果があったかなかったかを観測できない。一方で、積極的な効果の実証は、内部統制導入の本来的な目的ではないため、実証の意義そのものに疑問があるばかりでなく、仮に実証できたとしても、その時の経済状況に財務情報が大きく影響を受けるので、有効性の有無を判断できるかは疑わしいという確信が高まった。このため、内部統制報告書の形骸化と監査報酬の関係についての実証研究と並行して、内部統制報告書の有効性評価の消極的効果の実証が困難であることと積極的効果の評価が有用でない可能性について検討を進めたいと考えている。
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