研究課題/領域番号 |
21K01234
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
原 弘明 関西大学, 法学部, 教授 (70546720)
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研究分担者 |
笹本 幸祐 関西大学, 法学部, 教授 (10279250)
村田 大樹 関西大学, 法学部, 教授 (10509227)
馬場 圭太 関西大学, 法学部, 教授 (20287931)
南 健悟 日本大学, 法学部, 教授 (70556844)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 匿名組合 / 商法教育 / 消費者契約 / 承認の報酬請求権 / 旅客運送人 / 定型約款 / 場屋営業 / 免責約款 / 契約適合性 / 報酬請求権 / 運送人 / 安全配慮義務 / 商法総則 / 商行為法 / 債権法改正 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、平成29年民法改正・平成30年商法改正で実現されなかった、商法総則・商行為法の改正課題について検討・提言を試みる。法定利率・消滅時効の民法への統一により、民事特別法としての商法の特徴を説明することは、著しく困難になった。本研究では、現行法下での民法・商法の関係を明らかにするとともに、先行研究で検討された商法総則・商行為法の改正課題のうち、民商法改正において議論が尽くされたとは言い難い課題を中心に、民商法双方から検討を深める。そしてその総括として、現在における民商法の相互の特徴・棲み分けの問題点を明らかにし、あるべき民商法の関係についての将来像を提言する。
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研究実績の概要 |
代表者の原は、前年度に引き続き匿名組合における営業者の善管注意義務に関する研究を継続するとともに、平成26年改正で導入された詐害事業譲渡・営業譲渡制度と当該制度に伴う商号続用法理への影響について検討し、研究ノートを公表予定である。 分担者の笹本は、商法総則・商行為法に関する大学教育の現状および今後の展望等について研究を行っている。全国の大学において開講されている商法総則・商行為法を内容に含む講義のシラバスを基礎データとして、授業計画や指定教科書を分析し、共通する内容を抽出し検討している。 分担者の馬場は、消費者契約における契約適合性をめぐる諸問題に関する研究を継続するとともに、民法上の典型契約と特別法上の各種契約の関係に関する研究を進めた。その一環として研究会を開催し、日仏の研究者とともにフランス法における契約法の専門化と日本法の状況との比較法的に検討した。 分担者の村田は、前年度に引き続き、商法512条の意義について、不動産仲介契約における報酬請求権をめぐる議論を検討している。問題意識は、商人の報酬請求権が、民法の観点からみれば契約解釈に帰着すべきではないかという点にある。その素材として、ドイツでの在外研究の機会を生かし、ドイツの仲立契約(Maklervertrag)において報酬請求の可否がどのように判断されているのか、判例の検討を進めている。 分担者の南は、旅客運送人の責任等について研究した。商法590条が定める旅客運送人の旅客に対する損害賠償責任については、過失推定責任と呼ばれる一方、民法415条が定める債務不履行の原則を確認的に定めたものとも評される。そこで、旅客運送契約の債務の内容から、同条と民法415条との関係について、債権法改正の影響の有無も踏まえて考察した。鉄道旅客運送契約の運送約款と債権法改正により新たに設けられた定型約款の規定との関係についても考察をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者・分担者各人の問題意識に基づいて、着実に研究を遂行している。学内研究費成果と併せて、2023年度中に研究叢書を公表することとしており、その中に研究代表者・分担者が各1本の論説を執筆することとなっており、確実に研究成果も蓄積される素地がある。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度中に公表することとしている研究叢書にかかる論文執筆を、研究代表者・分担者各人において確実に遂行する。同叢書の論文執筆は2023年7月末までに行うこととしており、以後はさらに各人の研究を進展させ、より多くの研究成果を公表できるようにしたい。その間には、従前通り研究代表者・分担者間における打合せを通じて、研究内容のブラッシュアップを目指すこととしたい。
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