研究課題/領域番号 |
21K01236
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
|
研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
山本 真知子 甲南大学, 法学部, 教授 (40350855)
|
研究分担者 |
瀬谷 ゆり子 桃山学院大学, 法学部, 名誉教授 (00226680)
尾形 祥 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (20515259)
尾崎 安央 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (30139498)
川島 いづみ 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (50177672)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 財団法人 / ガバナンス / コーポレートガバナンス / 会社法 / 私立学校法 / 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 / 社員不在 / 学校法人 / 社会福祉法人 / 医療法人財団 / 医療法人社団 / 評議員会 / 公益法人会計 / 開示 / 会計 / 監査 / 理事 / 評議員 |
研究開始時の研究の概要 |
社団法人(株式会社等)においては、法人と強い経済的利害関係を有する出資者(社員)によるガバナンスに一定程度の実効性が期待できる。これに対して、社員が不在の財団法人では社員からのガバナンスを観念しえない。さらに、一般財団法人にあっては、公益法人のようにレギュレーターが存在せずガバナンスの自足的構築が問題となる。社員に代わり、評議員会や監事が存在するが実効性には疑問が呈されている。会社法学におけるコーポレートガバナンスの議論を参照しつつ、社員が不在の財団法人のガバナンスの在り方を検討する。開示・会計・監査、社外役員の活用が、会社を含む法人一般に普遍的なガバナンス構造であることを明らかにする。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、社員が不在の財団法人のガバナンスを、コーポレートガバナンスの研究が進展している会社法学の立場から批判的に検討しその改善策を提示することにある。当初より、前提として、これまでの学校法人研究の成果を改めて精査し、開示・会計・監査、社外役員の活用というコーポレートガバナンスの視点から私立学校法改正や国立大学法人法改正の意義と残された課題を抽出し、財団法人に応用できる点を整理する予定としていたところ、令和5(2023)年4月に私立学校法が改正された(令和7(2025)年4月施行予定)。同改正は、学校法人ガバナンスにつき、理事と評議員の兼職禁止、大規模な法人等への会計監査人設置の義務付け、理事・監事等の罰則規定の整備などの重要な変更を加えるものであった。そこで、同改正の理論的な意義を探り、社員(社団の構成員)の不在という学校法人ガバナンスの抱える根源的な問題を明らかにするため、令和3(2021)年度の研究成果である雑誌連載等に大幅な加筆・修正を加え、令和5年12月に書籍として刊行した(「10.研究発表」参照)。書籍化等のために、令和5年5月、7月にオンラインで研究会を開催したほか、随時オンライン又は対面で書籍編集を含む研究活動を行なった。加えて、学校法人の理事に関する判例評釈も発表した(「10.研究発表」参照)。私立学校法上の法人ではあるが実質は公益財団法人であるとされる学校法人のガバナンスに関する研究が進展したことにより、社員が不在の法人のガバナンスの問題点がより鮮明になり、財団法人ガバナンスについての研究にも資する結果となった。令和6(2024)年1月には、オンラインで研究会を開催し、財団法人ガバナンスについての研究の方向性を再確認し、今後の研究の推進方策を決定した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3(2021)年度、令和4(2022)年度におけるコロナ禍のもと調査活動に制約があり、研究会も対面方式で実施できていない点で、当初計画の変更を余儀なくされたことが、2023年度にも影響している。加えて、前提としての学校法人ガバナンスの研究に関し、令和5(2023)年4月に私立学校法の大改正があったことから、この点についての研究成果をまとめた書籍を同年12月に刊行したため、財団法人についての研究にやや遅れが出ている状況である。
|
今後の研究の推進方策 |
研究期間を令和6(2024)年度まで延長し、前提となる学校法人ガバナンスの研究については大きな進展があったことを踏まえ、財団法人についての具体的な検討を進めていく。具体的には、財団法人に関し、①総論 公益財団法人、一般財団法人「廃止論」 、 ② 財団法人の評議員会と一般社団法人の社員総会、③財団法人の監査(学校法人・医療法人等との比較)、④財団法人の収益事業と子会社等のテーマについて研究を進めていく。加えて、比較法として、①チャリティ(イギリス)、②スウェーデンの財団法人、等を対象とする。さらに、社会福祉法人・医療法人等についても全体的な比較検討を加える予定である。
|