研究課題/領域番号 |
21K01238
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山本 哲生 北海道大学, 法学研究科, 教授 (80230572)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 約款 / 保険 |
研究開始時の研究の概要 |
約款解釈の方法につき、意思が存在しない場における作業であることを出発点として検討する。アメリカでの、定型取引におけるブラックホールの解釈、明白な意味をめぐる様々な議論等を参照しつつ、当該類型の取引における規範の探究というアプローチ、文言を起点としつつ、抽象的な、顧客の理解可能性というものではない、人々の具体的な理解を考えるというアプローチを検討する。また、日本での契約の類型に応じた規律等の議論を参照しつつ、意思に基づかない解釈という視角からした約款解釈の具体的指針の定立、その理論的正当化を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究は、約款においては契約当事者の合致した意思はないという観点から、意思がない場合に、約款解釈はどのような形で行うかを検討するものである。この観点からは、契約に欠缺がある場合には、どのようにデフォルト・ルールを設定するかという考え方に即して解釈することが考えられる。デフォルト・ルールの設定にも、いろいろな観点があるが、大きくいえば、客観的に合理的な内容になるように解釈することが合理的である。合理的な内容としては、保険制度、保険取引からみた合理性が考えられるが、一義的には合理的内容が分からない場合には、保険者からみた合理性、保険契約者からみた合理性を衡量することで判断される。また、保険契約に関する規範も考慮される。 これに対して、平均的な契約者が理解できる内容で解釈すべきという考え方があるが、契約者は約款の内容を読まないことからすれば、合理的な内容を契約者が予想することはできないとしても、契約者の保護に欠けるところはない。したがって、客観的に合理的な内容で解釈するべきである。 このような観点からして、文言通りに解釈することが意味を持たないわけではない。文言通りの解釈には解釈コストを削減する意味がある。したがって、客観的に合理的な内容という点から明確に解釈できないような場合、合理的な内容にあまり意味がないような場合には、文言通りに解釈することが妥当である。このような観点からすれば、専門用語は専門的な意味で解釈することも妥当である。 なお、保険金を請求する際に、自己の権利の当否が判断できるようにするという観点から、条項が平易かつ明瞭でなければ保険者に不利に解釈するという考え方がある。しかし、契約内容をすべて平易かつ明瞭に書くことは困難であることもあり、内容の合理性を考慮せずに、平易かつ明瞭でなければ保険者に不利に解釈することを一般的に認めることは妥当ではない。
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