研究課題/領域番号 |
21K01264
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05070:新領域法学関連
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研究機関 | 日本医療大学 (2022) 小樽商科大学 (2021) |
研究代表者 |
石黒 匡人 日本医療大学, 総合福祉学部, 教授 (30193303)
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研究分担者 |
竹村 壮太郎 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (00711912)
小林 友彦 小樽商科大学, 商学部, 教授 (20378508)
多木 誠一郎 小樽商科大学, 商学部, 教授 (50324364)
坂東 雄介 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (50580007)
齋藤 健一郎 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (60756881)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 北海道 / 法学 / 地域的特性 / 法の解釈・適用 / 裁判 / 紛争解決 |
研究開始時の研究の概要 |
歴史・地理・文化・経済・社会事情などの地域的な特性が、法の解釈・適用における違いを生じさせるのかどうか、生じるとするとそれはどのような形でなのか、この問題について検討するための第一段階として、特性が顕著な地域の一つと思われる北海道を対象にして、裁判を中心とする紛争とその解決内容を分析する。 また、法形成に際して地域特性がどのように現れるかについても、道内の条例などを素材に分析する。 研究成果として『北海道判例・条例集』(仮称)の作成を目指す。
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研究実績の概要 |
研究期間の2年目である今年度は、第1に、判例調査として、初年度に引き続き、北海道に関連する裁判事例の調査収集を行った。ごく一例として、芦別鉄道爆破事件の国家賠償請求事件(最判昭和53年10月20日)について現地調査を行うとともに、現地でこの事件を調査してきた方にインタビューを行った。この事件の背景には、炭鉱労働者の街であったことや組合運動などの影響が見られる。また、刑事事件の後に国賠事件で最高裁まで至ったことには、当事者の想いと裁判運動への支援という要因が大きかったように思われる。ただし、これらの諸点には、北海道の地域固有の影響ではない部分もある。本研究は、裁判紛争が発生した理由に関して社会的背景や原因において地域的要因があるのではないかとの仮説に基づき研究を行っているが、北海道の地域固有の事情の影響については今後慎重に分析をしていく必要がある。 第2に、具体的な法的紛争の現れ方に関する調査については、特に、北海道の農業協同組合における①都府県と比較して高い非農業者による組合利用比率、②経費賦課(賦課金徴収)基準、以上2点にかかる法的問題点について吟味した。また、環境権が正面から争われた最初期の事例として有名な、伊達市火力発電所差止訴訟について、現地調査を行い、当時主張された発電所の反対理由(ばい煙の影響など)のその後の状況、この事件の地域での受け止め状況、公害防止協定の履行状況等について調査検討を行った。 第3に、前年に引き続き、条例(地域立法)の調査収集を行った。また、現地調査の一例としては、「札幌市客引き行為等の防止に関する条例」が2022年7月に施行されたことに合わせて、すすきの周辺での実施状況を調査した。この条例は相当厳しい規制をしたのであるが、すすきのが観光地であるとともに、いわゆる「夜の街」だけではない多様な人々が集う場所であることが影響したと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
とりわけヒアリング調査について、2022年度の前半も新型コロナウイルス感染症の影響により、予定していた調査が実施できなかったことによる。 他方で、単独での現地調査のように調査が実現した場合もあったため、前年度よりは研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和されたことから、現地調査や、外部の専門家・各種関係者の方からのヒアリング調査や研究会の計画を進めていく。 また、判例研究を継続しつつ、『判例集』の作成という形での成果公表を視野に入れつつ計画を進める。 なお、判例研究や法的紛争における地域的要因の調査分析においては、公法系、あるいは農業協同組合が関係するといった商法系では研究に進捗がみられる一方で、その他では、例えば民法など、当初の想定よりも地域的な研究が容易ではない分野があることから、本研究全体の進捗状況に留意することとしたい。
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