研究課題/領域番号 |
21K01282
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05070:新領域法学関連
|
研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
牛嶋 仁 中央大学, 法学部, 教授 (50268968)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | 気候変動 / 気候訴訟 / パリ協定 / 法の支配 / 司法審査 / 人権 / 市民 / 自治体 / 気候変動訴訟 / 環境法政策 / グローバル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、世界の気候変動訴訟を素材として、気候変動対策に関する政府・市民・事業者の社会における役割について「法と社会(訴訟による正義の実現とその社会的背景)」の観点から調査・分析する。 気候変動訴訟は、法と科学、議会・行政と司法、政府(多層構造)・市民・事業者、環境と人権の各関係、法の支配、民主主義、正義(justice)へのアクセス、持続可能な発展など、法律学の基本的論点を国際・各国裁判所等において改めて提起してきた。 本研究は、上記各論点が関わる政策・規範形成につき、気候変動訴訟の実態調査等により、その動態を調査・分析し、研究成果を国際学会・英文雑誌等において共有する。
|
研究実績の概要 |
2023年度は、日本の気候変動訴訟について、他の研究者との共同作業により検討を進め、その成果のオンライン公表を英文により共同で行った。諸外国の研究者からは、日本の状況について問い合わせを受けることが多々あり、成果公表によって日本の気候変動訴訟における現状と課題について情報提供できたことは、グローバルな研究ネットワークにとって大きな意義があると考えている。 さらに、欧州と韓国の気候変動訴訟について、それぞれゲスト招聘(2023年12月)と現地調査(2024年2月)を実施し、調査検討を行った。 上記調査を含む調査研究により、明らかになったことは、以下のとおりである。 1)各国国内裁判所・国際裁判所において、気候変動訴訟とその判例法理が急速に発展していること、2)気候変動訴訟で問題となっている法的争点や利用されている法的準則は、伝統的なものであること、3)しかしながら、気候変動訴訟に関する各判決間の相互影響等により、特に欧州では、創造的な判例が続出していること(そうでないものも多いことに注意すべきであるが、その拡がりは、グローバルサウスにも及んでいる)、4)気候変動対策(緩和・適応・公正な移行)のような新たな社会課題に対して、人権保障や権利保障等の観点から議会・行政を統制する裁判所の担う役割が各国・国際社会において問われていること、5)日本においては、裁判所を支える社会的基盤(社会の発展のため、社会における裁判所の役割を広く理解する制度や考え)が強いわけではなく、伝統的な判例法理の変化する兆しがないこと、6)事業者や市民団体においては、気候変動訴訟や気候変動対策の大きな動き・流れについて、その対応が急速に進捗していること、などである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本法に関する研究成果の英文による公表や海外における研究成果公表(中間報告・口頭)は、順調に進捗しているが、海外調査及び調査研究結果の論文公表について課題がある。この点については、2024年度に進捗を図りたいと考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度までの研究成果は、国際法曹協会人権会議(IBA Human Rights Conference)での口頭報告(2024年4月)や日本の環境法政策学会分科会(2024年6月)において報告済または報告予定である。その他、海外調査及び研究成果の論文公表について進捗を図りたいと考えている。
|