研究課題/領域番号 |
21K01288
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05070:新領域法学関連
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
高嶌 英弘 京都産業大学, 法学部, 教授 (70216646)
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研究分担者 |
中田 邦博 龍谷大学, 法学部, 教授 (00222414)
草鹿 晋一 京都産業大学, 法学部, 教授 (30327118)
坂東 俊矢 京都産業大学, 法学部, 教授 (40189733)
河上 正二 青山学院大学, 法務研究科, 客員教授 (70152923)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 消費者法教育 / 消費者教育 / 成年年齢引き下げ / 消費者法 / 民法 / 消費者 / 消費者市民社会 / 成年年齢 / 消費者教育推進法 / 消費者教育の推進に関する法律 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、若年層に対する今後の消費者法教育の基本理念と体系を明確化するとともに、教育の内容とメソッドを明らかにする点にある。消費者教育推進法に掲げられた「消費者市民社会」の担い手たる市民を育てるという観点からすれば、若年層に対する今後の消費者法教育においては、社会的に自立し自己の生活を自律的に決定しうる能力の涵養が目指されるべきであり、この目標に向けたスタンダードな内容とメソッドが明らかにされることが必要だからである。消費者問題全体に対する体系的理解につながる教育、及び、消費者の権利を正しく理解して行使する能力を涵養しうる教育を実現するために学際的かつ比較法を用いた研究が予定されている。
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研究実績の概要 |
2023年度には、随時、研究会を開催し、ステルスマーケティングの法規制や、生成AIに関する法律問題などの新しいトピックを対象として、どのような消費者法教育が必要であるかを検討するとともに、成年年齢の18歳への引下げを踏まえて、若者の消費者トラブルに対して諸外国がどのような消費者法教育を実施して対応しているのかを明らかにするため、台湾を対象とした海外調査を行った。本調査においては、台湾最大の消費者団体である「台湾消費者文教基金会」、台湾政府の「行政院消費者保護處」及び「新北市政府法制局」を対象として、聞き取り調査を行うとともに、意見交換を行った。あわせて、調査旅行に際しては、日本、台湾、ベトナムの研究者と実務家が参加して、この問題に対するオンライン国際研究会(「国際18歳成年消保研討会」)を実施した。これらの調査ないし会議の結果、台湾では、2023年4月1日に日本と同様に民法を改正して成年年齢をそれまでの20歳から18歳に引き下げており、これを踏まえた消費者法教育が実施されていることが明らかになった。さらに、東吾大学法律系学院を訪問し、教員及び院生を対象として、消費者法教育に関する聞き取り調査と意見交換を行った。さらに、中学校、高等学校についても、「建國中學高級学校」及び「國立台湾師範大学付属高級中学校」を訪問し、17歳の高校生から直接、意見を聞く機会を得るとともに、現在使用されている消費者法教育関連のテキストを得ることができた。本調査の結果については、坂東が、2023年11月17日に、青山学院大学第52回消費者法研究会において、「台湾における若者の消費者トラブルと法の対応」を報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、2022年度に欧米諸国の調査を予定していたところ、本計画が新型コロナウイルス感染症のため実施できなかったため、諸外国との比較研究が当初の予定よりも遅延している。そこで、これに代わる調査として、2023年9月に台湾の消費者団体、政府組織、地方自治体、大学、中学校、高等学校において聞き取り調査するとともに、意見交換を行った。今後は、これらの調査結果をとりまとめて公表する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、まず2023年9月に実施した台湾調査及び意見交換の結果として得られた知見と資料をとりまとめるための研究会を随時実施するとともに、2024年度末を目途として書籍として公表する予定である。具体的には、2024年度前半において、台湾調査の結果を取りまとめるための研究会を開催し、同年度の後半にはこれを書籍として公表する予定である。あわせて、同書籍において、2021年度及び2022年度の研究成果についても論文として公表する予定であり、2024年前半にそのための研究会を実施する。とりわけ後者については、成年年齢引き下げに伴う社会的課題に対して従来の消費者教育がどのように対応してきたのかを確認したうえ、本研究会の成果をどのような形でこれに加えていくのかを検討し、最終的には消費者法教育のスタンダードな教科書という形で公表したいと考えている。
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