研究課題/領域番号 |
21K01299
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 北海道大学 (2022) 横浜市立大学 (2021) |
研究代表者 |
宇野 二朗 北海道大学, 公共政策学連携研究部, 教授 (90438341)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 地方公営企業制度 / 地方交付税制度 / 水道事業経営 / 頑健性 / 地方公営企業 / 水道事業 / 下水道事業 / 地方交付税 / 冗長性 / 地方公営企業法 / 直営方式 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,経済性と対立し得る頑健・冗長な都市インフラストラクチャーの維持に対して,地方公営企業制度のどの点が,どのように作用しているかを解明することを目的とする。 その際,日本の関連制度の発達の史的分析と,ドイツとの制度比較を併用する。また,地方交付税制度と結びついて全国大での都市インフラストラクチャーの頑健化・冗長化を支えるという側面と,「半自律組織」として一つの自治体内で価値の多様性(経済性,頑健性・冗長性,公正等)を保持する働きをするという側面に分けて検討する。
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研究実績の概要 |
この研究では、上下水道などの生活インフラの持続可能性を高める制度的条件として、地方公営企業制度のあり方を、個別事業体レベルと全国レベルの双方について、主に日独を研究対象として調査検討する。 本年度は、個別事業体レベルについて、東京都と大阪市の水道事業の発展、特に頑健な水道をもたらす制度要因としての組織の自律性に関する研究を単著にまとめた。さらに、こうした研究を他都市にも拡大するために、いくつかの大都市水道事業へのヒヤリング調査を実施し、またネットワークの構築に努めた。こうした研究によって、大都市水道事業の個性を事例研究によって明らかにしていくことが可能となる。これは、いくつかの公営企業イメージを堆積させながら発展していった地方公営企業制度の特徴の解明に役立つと期待される。なお、水道事業以外の事業として、下水道事業及び交通事業についても文献調査を開始し、また、何回かヒヤリング調査を実施した。 一方、全国的な視座については、現行の地方公営企業制度の特徴を経営戦略策定という文脈から検討し、また、特に中小規模の地方公営企業を財政的に支える地方交付税制度に関して現在の運用の特徴を検討した。地方交付税制度に関しては、「骨太の方針」から始まり、仮試算、地方財政計画、「普通交付税額の算定方法の改正について」の公表、地方交付税法の改正までの一連の流れを追い、その都度、関係各所に対するヒヤリング調査を行った。これにより地方交付税制度の運用過程の理解を深めた。さらに、地方公営企業においてもデジタル化や脱炭素化が強調されてきていることを踏まえ、それらの施策・取り組みについて資料を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本の事例のうち東京都と大阪市の事例について研究を取りまとめることができた。それに続く事例についても調査を開始することができた。また、地方交付税制度についても1年間を通じて制度運用を観察できた。
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今後の研究の推進方策 |
日本の個別団体の調査対象を拡大させ、また、対象とする事業領域も水道事業にとどまらず、下水道事業や交通事業へと拡大させていく。地方交付税制度についての観察を続けるとともに、それがどのように地方公営企業制度(特に中小規模)へと作用しているのか検討を進める。また、ドイツのシュタットベルケに関する文献調査を進める。
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