研究課題/領域番号 |
21K01300
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
坂本 隆幸 明治学院大学, 国際学部, 教授 (10298557)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 社会投資政策 / 家族支援政策 / 教育政策 / 積極的労働市場政策 / 非正規雇用 / シングルマザー / 所得格差 / 貧困 / 雇用格差 / 雇用の不平等 / 所得の不平等 / シングル・マザー / 教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、欧州連合を中心に先進諸国で重要政策に掲げられている「社会投資政策」が、 政府が期待するように、ひとり親家庭、非正規雇用、教育格差などの新しい社会リスクを軽減することができるのかを明らかにすることである。先進諸国政府は、同政策が人的資本投資を促すことによって、高技能な労働者を養成し、労働者の失業、世帯の所得格差の問題を緩和し、ひとり親家庭、非正規雇用、教育格差などの新しい社会リスクを緩和することことを期待している。日本を含めた先進20か国における社会投資政策の性質・規模と、シングルマザーや非正規労働者らの雇用や所得の状態、そして雇用や所得の格差や貧困との間の関係を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、欧州連合を中心に先進諸国で近年、重要政策に掲げられている「社会投資政策 (social investment policy)」が、 政府が期待するように、ひとり親家庭、非正規雇用、教育格差などの新しい形の社会リスクを軽減することができるのかを理論的、実証的に明らかにすることである。先進諸国政府は、同政策が人的資本投資を促すことによって、① 知識集約的な新しい経済や技術革新に適応できる、高技能な労働者を養成し、② 経済成長 を確保するだけでなく、③ 労働者の失業、世帯の所得格差の問題を緩和し、④ ひとり親家庭、非正規雇用、教育格差などの新しい社会リスクを緩和することことを期待している。 本年度は、前年度に実施したデータ収集と分析をさらに進めた。社会投資政策がシングルマザーの貧困率を抑制できるのか否かの分析である。育児休暇手当が再分配前の貧困率を下げることが判明していてそれは理論的に予想されたとおりなのだが、教育支出が再分配後の貧困率を抑制するという結果が出ている。この結果自体はいいことなのだが、なぜ再分配前でなく後の貧困率に効果があるのか説明が容易でない。この結果はロバストであり、分析に誤謬があるということは考えにくい。また、同様の結果が勤労世帯全体の分析結果にも出ている。このことの理論的説明を進めることが重要な課題である。 本年度はこれら結果をまとめた論文を国外学術誌に提出し、審査を受けた。様々な有用なアドバイスや提言をもらい、それらに基づいて現在、再度の統計分析、論文の加筆修正を行い、現在同学術誌で審査中である。 本年度はまた、社会投資政策が、シングルマザーの雇用率を促すよう機能しているか否かを統計分析し、その結果を国外学術誌に提出し、現在審査中である。提言・アドバイスなどのレビューが返ってきた際には再分析、加筆修正を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
社会投資政策が所得格差や貧困に与える影響を分析しているのだが、同政策は再分配後の格差や貧困を減らすが、再分配前の格差や貧困の緩和効果は限定的であるという結果が出ている。この分析結果を受けての理論的模索やさらなる統計分析に時間が取られ、非正規雇用やシングルマザーの雇用などの分析に遅れが生じている。新年度は、スピード感を持って、分析、結果の公表、再分析、加筆修正を加え、研究結果の質の高さを確保していかなければならない。
前者の論文は新年度8月に米国政治学会で発表されるので、そこでの提言・アドバイス・論評が得られるので、研究の進展に利用していく。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、上記の研究・分析を進め、積極的に結果を公表し、高い質の研究結果を達成していく。
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