研究課題/領域番号 |
21K01301
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 城西国際大学 |
研究代表者 |
遠藤 十亜希 城西国際大学, 国際アドミニストレーション研究科, 教授 (30813951)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | Deportation / Immigration detention / Migration Management / Japan / UK / deportation / immigration control / immigration detention / refugees / path dependence / institutions / 退去強制手続き / 入管制度 / 日本 / 英国 / 新制度論 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の日本では、出入国在留管理制度、特に退去強制手続きが外国人の人権侵害の一因となっているとして、その制度的欠陥が問題化している。一連の国際人権レジームに加盟する自由民主主義国家日本が、陳腐化した入管制度を抜本的に改革できないのは何故か。 本研究では、1)戦後日本の入管行政の歴史的変遷を批判的に検証し、現状・問題点を抽出、2)入管制度改革では先駆的な英国と比較し、改革の要因・作用を分析、3)日本の入管制度改革への指針を策定・提言する。 本研究は、歴史的新制度論の分析手法を用いて日英の入管制度改革を体系的に比較分析する初めての試みであり、行政改革への提言は日本の外国人受入政策の発展に寄与する。
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研究実績の概要 |
本研究は、日本の出入国在留管理制度の歴史的変遷を政治学の立場から、英国の事例と比較分析することを目的とする。 本年度(2023年): 英国の「移民送還・収容」制度の研究に重点をおいた。2022年度研究活動(上述)を継続しつつ、ロンドンとオックスフォードで現地調査(関連分野の代表的研究者や実務家との面談や移民裁判所訪問)を実施した。現地調査で新たな知見や情報を得ることができ、帰朝後もオンラインでフォローアップインタビューを行うなど、英国の専門家との研究ネットワークが構築できた。また、インタビューの音声記録はすべてテープ起こしをし、研究に活用している。これまでの調査で明らかになったのは、①英国の移民収容制度の健全化には「独立視察機関」が近年、大きな役割を果たしていること、②独立視察調査が収容行政や政策にどのような影響を及ぼしているか、③移民送還をすすめたい保守党政権のリアクションが新たな問題を生んでいることである。 日本の事例については、過去2年間の分析を精査して一部修正を加え、論文にまとめた(未発表)。ここでは、送還・収容制度の歴史的発展の経路が示したパターンを概念化した。また、2023年6月の入管法改正のうごきも論文に反映させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の比較対象である英国に関する調査において、新型コロナ感染症対策として日本政府及び所属研究機関が渡航規制をかけた(2020年-2022年)影響を受け、英国へのヒアリング調査が本研究3年目(2023年11月)まで実施できなかった。また、研究代表者が2022年4月より所属研究科研究科長職に就いたため、英国出張期間も1週間と限定された。 日本で行える調査・研究はできる限り行った一方で、英国の移民政策分野の研究者や実務者へのヒアリングや移民裁判所訪問などは必要不可欠であり、ここで得られた情報や知見をもとに、日本との比較研究を行うのは、当初の研究計画の順序に沿うものである。 こうした状況から、本研究自体を1年間延長した上で、最終年度である本年に、日英比較研究から結論を導出する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は本研究の最終年度であるため、調査結果(特に英国でのヒアリングやデータ集積)の取りまとめを完了し、比較分析と結論の導出を行う。英国の事例研究が完了した時点で、移民送還・収容システムの歴史的発展を主眼にして、日本との比較分析を行う。 研究成果は、学会発表、一般報告会、学術論文、著書(共著)、報告書(大学院紀要)のかたちで公開する。
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