研究課題/領域番号 |
21K01302
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
礒崎 敦仁 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 教授 (40453534)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 北朝鮮 |
研究開始時の研究の概要 |
北朝鮮・金正日政権下における朝鮮労働党の支配の実態解明を試みる。金正日政権は、軍事優先の「先軍政治」を掲げて国防委員会を「国家の中枢」に据えた特異な危機管理体制を構築した。「党の機能が麻痺した」と評されることも多い、金正日政権期の党の機能や人事について、新資料も活用しながら検証する。さらに、朝鮮労働党が他の社会主義国家の共産党との比較において、いかに位置付けられるべきかを検討する。
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研究実績の概要 |
本研究では、北朝鮮の支配政党である朝鮮労働党大会が一度も開催されず、「党の機能が麻痺した」と評されてきた金正日政権期を中心にその国内政治を検証している。2023年度は、金正恩政権期に入ってから発刊された資料が金正日政権をいかに評価しているかも含めて検証を進めた。 北朝鮮政治研究において入手可能な資料が多様化し個別研究が急速に蓄積され、その体制を比較政治学の土俵で論じうる余地は相対的に大きなものとなった。金正日政権は支配者の自然死という形で終焉を迎えていることからも、スルタン支配型及び「分断型」といった類型化は北朝鮮体制についても有効ではないかと考えられる。 北朝鮮体制は、冷戦終結直後に大きな危機に直面した。ソ連・東欧社会主義体制崩壊に伴う国際的孤立、それに起因する未曾有のエネルギー難、食糧難は配給制度の機能不全をもたらし、大量の脱北者を発生させた。 これらが金正日政権にとって第一の危機であったとすれば、第二の危機は、支配者である金正日が2008年夏に突然の病に倒れたことである。その時点では後継者の存在が明示されておらず、権力の空白が体制の行方を不透明なものにすると考えられた。金正日が二つの危機への対応を誤まれば、体制を「崩壊」に追いやった可能性もあったが、結果的にはいずれの危機も乗り切っている。最終年度に向け、これら体制長期化の要因を中心に論文執筆を進めた。研究成果の一部は、共著『最新版北朝鮮入門』や『アジアの独裁と「建国の父」』などに反映させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
円安・物価高の影響が非常に大きく当初の予定通り海外調査を実施できなかったが、資料精査は概ね順調に進展したため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き資料精査を進め、研究成果として金正日政権期の北朝鮮国内政治の特徴を明示する論考を執筆する。
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