研究課題/領域番号 |
21K01303
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
粕谷 祐子 慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (50383972)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 民主主義 / 測定 / 政治体制 / デモクラシー / 指標 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、現在公開されている多数の民主主義指標に対し、統計学・機械学習の手法を用いて、より精度の高い統合指標の構築、および、各種指標の背後にある構成要素の抽出を行って政治体制研究のインフラストラクチャーの充実に貢献しようとするものである。既存指標が抱える問題点として、(1) 民主主義概念を構成する様々な要素のうち、どの側面を特に強調しているのかが判断しにくい、(2) 更新が停止している指標が多いために指標の多様性維持が困難である、(3)政治体制の下位類型を概念に即した形で定量化できていない、の3点がある。本研究では、これら3つの問題状況を統計学および機械学習のアプローチを用いて改善する。
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研究実績の概要 |
本研究は、現在公開されている多数の民主主義指標に対し、統計学・機械学習の手法を用いて、より精度の高い統合指標の構築、および、各種指標の背後にある 構成要素の抽出を行って政治体制研究のインフラストラクチャーの充実に貢献しようとするものである。これまで、ポリティ指標、フリーダムハウス指標をはじ めとして多くの民主主義指標が開発されてきたが、これらは次のような問題点を抱えている。(1) 民主主義概念を構成する様々な要素のうち、各指標がどの側 面を特に強調しているのかが判断しにくい、(2) 更新が停止している指標が多いために指標の多様性維持が 困難である、(3)政治体制の下位類型を概念に即した 形で定量化できていない、の3点が挙げられる。
本研究では、これら3つの問題状況を統計学および機械学習のアプローチを用いて改善することを目指す。具体的な研究内容として、以下を計画している。第1に、V-Demデータベースをもとに多次元の潜在要因の抽出を行うことによって、それぞれの民主主義指標としての 特徴を明確にする。これに関しては、U-Mapというソフトを利用しての分析を進めている。第2に、自由民主主義・選挙民主主義・選挙権威主義・閉鎖的権威 主義という政治体制の4分類に関し、これを概念的に捉えて適切に測定す る指標およびデータベースを作成する。これに関しては2024年度中に論文として出版する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の研究活動としては、(1) 民主主義体制の測定に関する研究レ ビューを日本語論文としてまとめ、2024年6月に岩波書店から出版される編集本の1章とした(中溝和哉・佐橋亮編、『現代世界をよみとく基礎概念(仮題)』岩波書店、2024年)。(2) 民主主義を構成する潜在概念の機械学習による抽出に関し、U-Mapというソフトを利用した分析を進めた、(3)2023年から政治学者の間で論争になっている、世界規模で民主主義は後退しているのかという問題に関し、V-Demデータベースにおいて最も基礎的なレベルで民主主義を測定するカントリーエキスパート・コーダーによるコーディングに関し、民主主義後退に関連する実際のイベントのコーディング(https://www.democratic-erosion.com/event-dataset/)とを対比して、V-Demにおいてはどの変数がコーダー間の「揺れ」が大きいのか、どのような国・地域のコーディングが実際のイベントを反映していないのかを分析した。2024年度中にワーキングペーパーにまとめて学会等で報告した後に出版予定である。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる今年度は、U-Mapを利用した民主主義の潜在指標の構成に関する論文を作成すると同時に、V-Demデータベースにおけるコーダーレベルの判定に関する分析を進める。
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