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ロシアにおける個人支配型権威主義体制の持続:正統性の言説と社会の受容

研究課題

研究課題/領域番号 21K01306
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分06010:政治学関連
研究機関法政大学

研究代表者

溝口 修平  法政大学, 法学部, 教授 (20648894)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワードロシア / 権威主義 / 正統性 / ナショナリズム
研究開始時の研究の概要

現在、世界的に「強い指導者」を求める傾向が強まっており、その背景や要因の解明が求められている。比較政治学の先行研究は、権威主義体制による抑圧や懐柔の手法に着目して体制の持続要因を明らかにしてきた。本研究では、「正統性」が体制持続にいかに寄与するかという視点を導入し、ロシアの事例を用いて検討する。具体的には、(a)ロシアの権威主義体制による正統性獲得の方法、(b)そのような行動の社会の受容の仕方、という2点を検討する。
本研究の成果は、なぜ世界的に独裁化傾向が強まっているのかという学術的「問い」に答えるだけでなく、国際秩序の変容におけるロシアの役割を理解することにも貢献する。

研究実績の概要

2023年度は,第一に,ロシアの権威主義体制がどのようにその統治の正統性を獲得しているかについて研究を進めた。これについては,2020年にロシアで大規模な憲法改正が行われたことについて詳細な分析を行った。また,近年世界的に憲法改正を利用して漸進的に権威主義化が進む事例が多いことに鑑みて,これらの事例を地域横断的に比較研究した。その結果,「危機の克服」を掲げてそのような憲法改正を正当化し,ナショナリズム・ポピュリズムを利用して独裁者は国民の支持を調達することを明らかにした。
第二に,そうした体制側の戦略に対して国民がどう応答しているかについても検討した。特に,クリミア併合とウクライナ侵略という2つの事例で起きた旗下結集効果の違いを分析しながら,ロシア社会のどのような層がプーチン政権の支持基盤になっているかを考察した。その結果,近年のロシアでは所得・教育水準の高い層がプーチン政権をより強く支持する傾向が継続していることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ロシア・ウクライナ戦争が継続する中で,戦況の変化を見ながら当初の研究課題を遂行することに想定以上の時間を費やすことになった。また,戦争開始以来,現地調査が困難であったり,国家機関のウェブサイトの閲覧もできなくなったりと,情報収集が難航しているため,予定通りの研究遂行が困難になっている。

今後の研究の推進方策

これまでの研究成果をもとに現在のロシアにおける政府と国民の関係を明らかにするという形で,本研究全体を総括することを目指す。
また,本研究を発展させて2025年度から国際共同研究を本格的にスタートするために,共同研究者との意見交換と情報共有も進めていきたい。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (21件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件、 招待講演 6件) 図書 (6件)

  • [雑誌論文] ロシアを束ねるものは何か?ーーソ連解体後のロシアにおける歴史と愛国主義2023

    • 著者名/発表者名
      溝口修平
    • 雑誌名

      国際政治

      巻: 209 ページ: 173-182

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] ロシアの選挙権威主義体制における地方統制ーー公選制のもとでの知事のローテーション2022

    • 著者名/発表者名
      溝口修平
    • 雑誌名

      日本比較政治学会年報

      巻: 24 ページ: 175-198

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Putin’s Imperial Nationalism and Obsession with Ukraine2022

    • 著者名/発表者名
      Shuhei Mizoguchi
    • 雑誌名

      Asia-Pacific Review

      巻: 29 号: 2 ページ: 56-78

    • DOI

      10.1080/13439006.2022.2105527

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 追悼 ゴルバチョフ元ソ連共産党書記長ーーソ連解体をめぐって揺れる内外の評価2022

    • 著者名/発表者名
      溝口修平
    • 雑誌名

      外交

      巻: 75 ページ: 72-77

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] ロシアの権威主義体制の変質――体制の個人主義化とナショナリズムへの傾斜2022

    • 著者名/発表者名
      溝口修平
    • 雑誌名

      歴史地理教育

      巻: 944 ページ: 16-21

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] ロシアがNATOに強硬姿勢をとる理由2021

    • 著者名/発表者名
      溝口修平
    • 雑誌名

      外交

      巻: 71 ページ: 67-72

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 「2つの旗下結集効果:クリミア併合とウクライナ侵略の比較」2023

    • 著者名/発表者名
      溝口修平
    • 学会等名
      慶應義塾大学法学政治学研究科研究セミナー
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] “Rally ‘round the Flag Effects in Different Contexts: The Crimea and Donbas Consensus Compared”2023

    • 著者名/発表者名
      Shuhei Mizoguchi
    • 学会等名
      Serbia-Japan Academic Meetings “Reflections of World Crisis in South-East Europe and in Pacific”
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] ウクライナへの軍事侵攻とプーチンの思想的変化2022

    • 著者名/発表者名
      溝口修平
    • 学会等名
      地域紛争研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] ロシアの意思決定,政治体制2022

    • 著者名/発表者名
      溝口修平
    • 学会等名
      国際安全保障学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] The Disintegration of the ‘Near Abroad’? Putin’s Imperialism and Its Backlash in the Post-Soviet Space2022

    • 著者名/発表者名
      Shuhei Mizoguchi
    • 学会等名
      グローバルガバナンス学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 支配政党の動員力衰退期における中央・地方関係の変化―ロシアの事例からー2021

    • 著者名/発表者名
      溝口修平
    • 学会等名
      日本比較政治学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] Middle-Class Nationalism in Post-Crimean Russia2021

    • 著者名/発表者名
      溝口修平
    • 学会等名
      第72回駒場国際政治ワークショップ
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Middle-Class Nationalism in Post-Crimean Russia2021

    • 著者名/発表者名
      Shuhei Mizoguchi
    • 学会等名
      ICCEES the 10th World Congress
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 2021年ロシア下院選挙の展望2021

    • 著者名/発表者名
      溝口修平
    • 学会等名
      日本国際問題研究所令和3年第3回ロシア研究会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] 権威主義化する世界と憲法改正2024

    • 著者名/発表者名
      溝口 修平
    • 総ページ数
      176
    • 出版者
      法政大学出版局
    • ISBN
      4588630539
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 現代ロシア政治2023

    • 著者名/発表者名
      油本真理・溝口修平
    • 総ページ数
      246
    • 出版者
      法律文化社
    • ISBN
      9784589042798
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 国際秩序が揺らぐとき2023

    • 著者名/発表者名
      森 聡
    • 総ページ数
      211
    • 出版者
      千倉書房
    • ISBN
      480511293X
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 大国間競争時代のロシア2023

    • 著者名/発表者名
      日本国際問題研究所
    • 総ページ数
      190
    • 出版者
      日本国際問題研究所
    • ISBN
      9784819300377
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] よくわかる比較政治学2022

    • 著者名/発表者名
      岩崎 正洋、松尾 秀哉、岩坂 将充
    • 総ページ数
      226
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623094646
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 令和3年度外務省外交・安全保障調査研究事業 大国間競争時代のロシア2022

    • 著者名/発表者名
      日本国際問題研究所ロシア研究会
    • 総ページ数
      108
    • 出版者
      日本国際問題研究所
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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