研究課題/領域番号 |
21K01310
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
後 房雄 愛知大学, 地域政策学部, 教授 (20151855)
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研究分担者 |
伊藤 公雄 京都産業大学, 現代社会学部, 教授 (00159865)
石田 憲 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (40211726)
伊藤 昌亮 成蹊大学, 文学部, 教授 (80548769)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 政治改革 / 小選挙区制 / 二大勢力化 / 政権交代のある民主主義 / 脱冷戦 / ポピュリズム / パーソナル・パーティ / デジタル / 冷戦対立構造 / 冷戦終結 / 政治変動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、冷戦時代の日伊戦後政治の構造や特徴を踏まえて、冷戦終結後にそれらを根本的に再編成することになった両国の政治変動を「脱冷戦」の視点から体系的に比較研究することによって、混迷状況にあるように見える両国政治の現状と今後の見通しを明らかにしようとするものである。 そのために、国際環境の激変(冷戦終結)と国内政治の「脱冷戦」を基本軸としつつ、政治制度改革、政党再編成、フェミニズム、社会運動、移民問題などの諸要因を体系的に比較する。 本研究の基本的方法は、様々なデータを収集し、仮説的な枠組みによってそれらを解釈し、考察する歴史的アプローチである。
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研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、研究代表者及び研究分担者が、各自の分担に基づいて、必要な文献、資料の収集、それらの検討作業を進めた。それと並行して、3回のZOOM研究会を研究協力者、ゲスト研究者も交えて実施して、それぞれの研究の進捗状況について中間報告を行い、それをめぐって討論を行った。また、日本の各政党リーダーに対するインタビュー調査も行った。 具体的には、冷戦終結後の日本とイタリアの政治変動の基本的な軌跡についての認識を共有し、それとの関連で、外交防衛政策、社会運動、SNSなどのデジタル技術の活用、ジェンダー問題などについて各自が研究を進めた。その成果として、各自が数本の研究論文を執筆、発表した。 基本的内容として、両国とも政治改革(特に小選挙区制導入を中心とした選挙制度改革)の効果として、従来の多党制的な状況が二大勢力化、さらには二大政党化の傾向が2010年代の半ばまでは施行したが、その後はその傾向が停滞ないし逆行していることが明らかとなった。 日本においては、自公政権と与党の圧倒的な優位が続いており、野党の分裂状況が恒常化するという形で二大政党的状況は停滞するに至っている。そのなかで、日本維新の会の急進、参政党、令和新選組、NHK党などの新党の登場は注目される。そこではネットの活用が特徴となっている。 他方、イタリアは民主党を中心とする中道左派と「自由の家」を中心とする中道右派との間で政権交代を繰り返しながら二大政党的状況にかなり接近したが、中道左派が主導した2016年の憲法改正国民投票の否決を契機に、中道左派の弱体化と分散化が進行した。他方、中道右派内においては、新興の「イタリアの同胞」が急速に支持を伸ばし、2022年9月総選挙では第一党となり、その党首メローニを首相とする右派連合政権を樹立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の状況が緩和され、予定したインタビュー調査を進めることができており、研究会や研究打ち合わせも、ZOOMを活用して、分担者だけでなく研究協力者やゲスト研究者も交えて積み重ねることができた。 また、参加している研究者の研究成果が、随時、研究論文の形で発表されている。 イタリアへの訪問調査については、コロナ禍の状況やZOOMなどによる代替手段を考慮して今回は見送り、その経費については国内でのインタビュー調査や資料収集に充てることとし、その方針で着実に研究を進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は最終年度にあたるので、研究参加者それぞれがこれまでの研究成果を研究論文の形で発表したり、学会研究会などで発表したりすることに重点的に取り組む方針である。 それと並行して、各自の研究成果を総合してこの共同研究の成果を総合するための研究会を開催していく。
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