研究課題/領域番号 |
21K01332
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
西山 隆行 成蹊大学, 法学部, 教授 (30388756)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | アメリカのナショナル・アイデンティティ / アメリカの対外政策 / 政治的分極化 / 二大政党の対立激化 / アメリカ的信条 / ナショナル・アイデンティティ / アメリカのナショナリズム / 連邦議会選挙 / 人工妊娠中絶 / 統治機構への信頼 / アイデンティティ政治 / アメリカ政治 / アイデンティティ・ポリティクス |
研究開始時の研究の概要 |
多民族国家であるアメリカは、政治制度や理念の共有に基づく社会契約を基礎として、ナショナル・アイデンティティを構築してきた。だが、アメリカ社会の分断が進む近年、アメリカ社会の共通基盤となってきた合衆国憲法の理念や統治機構の正統性に対する疑念までもが提起されるようになっている。本プロジェクトは、2022年の中間選挙や2024年大統領選挙をめぐる政治過程に主な焦点を当てながら、混乱の度を深めつつあるアメリカの民主政治の現状を明らかにするとともに、今後のナショナル・アイデンティティの行方を展望する。
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研究実績の概要 |
2023年度はアメリカのナショナル・アイデンティティと対外政策・国際秩序構想の関係を主に念頭において研究を実施した。冷戦終焉後、アメリカは唯一の超大国として、世界秩序の形成を模索してきた。だが、今日ではアメリカもグローバル化の波に巻き込まれ、対外的にも国内的にも、その在り方が問い直されている。多くの論者がアメリカの力が相対的に衰退していると指摘しているが、より深刻なのは、アメリカ自身が国際秩序を維持する上で重要な役割を担おうとする意志を失いつつあることである。 アメリカは長らく、単に軍事力や経済力が秀でていただけでなく、世界秩序を構築しようとする意思と能力を持っていた。自由貿易を推進するためのルールや枠組みを構築したり、国際紛争が発生した場合には兵力を派遣したりするなど、寛大で自己犠牲を厭わず、様々な国際公共財を提供してきた。だが、今日ではアメリカは大きな財政的資源を対外政策に投じる余裕が無くなり、積極的な対外関与について国内からの反発が強まっている。 そのような反発は、とりわけ左右の極端主義者から示されている。例えば右派の極端主義者には、経済的な意味での小さな政府の立場を提唱する人々がおり、連邦政府は専ら内政に注力するべきだと主張している。他方、左派の極端主義者には、国内の経済格差重視派や人権重視派、アイデンティティ重視派など様々な人々がいるが、いずれも単独争点に熱心に取り組む傾向が強く、根本的には内向き傾向が強い。 今日のアメリカは、政治・社会の分断が強まっていることに加えて、二大政党の勢力が均衡し、政党規律も強まっている。そのような状態で法案を成立させるためには、他党からの協力が望めない以上は党内の極端主義者の声に耳を傾けざるを得ない。伝統的にエリートが担ってきた外交の分野においても、ポピュリストの影響力が増大している現状がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度に主に実施した対外政策に関する研究は、当初の研究計画では複数年にわたり実施する予定であった。だが、『国際政治』のアメリカ特集号の責任編集をすることとなったため、当初計画とは若干変更して、対外政策について集中的に研究を実施した。当初予定とはスケジュール(順番)が異なってはいるものの、まとまった研究成果を出すことができた点で、研究はおおむね順調に進展しているといえると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年11月にはアメリカ大統領選挙・連邦議会選挙が実施される。二大政党の候補は、民主党が現職のジョー・バイデン、共和党が前職のドナルド・トランプとなり、2020年大統領選挙の再戦となる見込みだが、今回もアメリカという国家のアイデンティティをめぐる議論が活発に展開されると予想できる。アメリカの政治・社会の分断が鮮明になり、保守とリベラルが全く異なる国家像を提示する状況では、大統領選挙・連邦議会選挙の際に示される各候補のビジョンを比較することは、アメリカのナショナル・アイデンティティに関する理解を深める上で重要である。 文献資料の調査に加えて、各種世論調査の分析を積極的に行うとともに、二大政党の候補のディスコース分析等を実施する予定である。そのような作業を通して、自由・民主主義・平等・個人主義・法の支配などの理念を中心にまとまってきた契約国家であるアメリカのナショナル・アイデンティティの在り方に関する理解を深め、学術論文を積極的に執筆することにしたい。
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