研究課題/領域番号 |
21K01338
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
市川 ひろみ 京都女子大学, 法学部, 教授 (50281754)
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研究分担者 |
シン ヒョンオ 立命館大学, 文学部, 授業担当講師 (40815487)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 兵役拒否 / 代替役務 / 良心の審査 / 選択的兵役拒否 / 市民的不服従 / 人権 / 国家安全保障 / 韓国政治 / ドイツ政治 / 社会運動 / 命令拒否 / ドイツ / 韓国 / 国際関係論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、兵役拒否という行為が立憲主義の観点から位置づけようとするものである。 兵役拒否者の存在は、国民の生命・内面の自由の保障という、国家の存在意義についての根源的な問いを提起する。武器をもってする役務を国民に強制すること・武力行使を命令することは、国家が国民を道具(取り替えの効く消耗品)として扱うことであり、理論的には国家が守るべき国民の生命・内面の自由を侵害する側面を有する。また、軍隊内にあっても、自らの良心に反するような違法な・非人道的な命令を受けた兵士は、国家の命令と良心が背反する場合にどのように行為すべきかというヨーロッパ世界では、繰り返し提起されてきた政治思想の問題に直面する。
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研究実績の概要 |
2022年度は、研究会報告および国際シンポジウムでの報告を行い、韓国での調査を行った。 立命館大学平和主義研究会(7月24日オンライン開催)「いま兵役拒否を考える」では、研究代表者「兵役拒否の理念と歴史的展開―ウクライナの事例にも触れて」、シン・ヒョンオ研究協力者「韓国における良心的兵役拒否-歴史と現在」というテーマで報告した。明治学院大学PRIME主催連続セミナー国際シンポジウム(2月18日ハイブリッド開催)では「兵役拒否の歴史的展開-市民的不服従の観点から」というテーマで基調講演を行った。このシンポジウムでは、韓国兵務庁代替役審査委員会非常任委員であり歴史問題研究所研究員である白承徳(ペク・スンドク)氏も報告され、韓国における兵役拒否の歴史的展開および現状について知見を深めることができた。そして、ドイツの兵役拒否との比較の観点からペク氏との意見交換を行うことができた。これらの報告では、兵役拒否について歴史的、思想的観点から議論を深めることができた。さらに、ロシアによるウクライナ侵攻によって、韓国とドイツの兵役拒否を比較する意義が重要性を増していることを実感した。 3月19日~22日の韓国(ソウル、コジュ)では、兵役拒否当事者、支援者、活動家、研究者、兵務庁代替役審査委員会委員7名にインタビューを行った。この調査では、異なる立場から多くの論点が提示され、本研究にとって大変有意義で発見があった。しかし、十分に掘り下げて議論するには時間が足りなかったため、2023年度にはインタビューだけではなく、研究会を開催する方向で調整している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外での調査、研究会等の開催がコロナ感染によって困難であったため、ドイツ・韓国の当事者や研究者との研究を進めることができていない。ようやく、2023年3月に韓国での調査を行うことができた状況である。2023年夏にはより積極的に海外での調査・研究を進めたい。
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今後の研究の推進方策 |
2023年夏に遅れていた海外での調査・研究に取り組み、京都女子大学において研究会を開催する。その際には市民的不服従や自由権を研究している研究者にコメントいただく。研究会での議論をもとに11月開催の日本平和学会で研究代表者および研究協力者が報告する。年度内には論文として研究成果をまとめる。
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