研究実績の概要 |
報告者は2023年度、フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)の訪問研究員として、国際共同研究“Capitalisms, Technologies, Society and Health - A Euroasian project”という共同研究に従事した。本科研費課題に関する研究成果として、1)Wen-Hua Kuo and Kayo Takuma, “’Glocal’ Health Governance: Organizational Innovations in the Era of Covid-19 “(2025年刊行予定の論文集に収録予定)、2) Wenhua Kuo, Kayo Takuma, and Yves Tiberghien, "Health, Governance, and Social Innovation During the Various Covid Phases: Comparative Analysis of Developments in China, Japan, Korea, Taiwan, Singapore, and Vietnam in a Larger Setting",(2025年刊行予定の論文集に収録予定) 3), Kayo Takuma, “Multilayered Health Governance: How to prepare for the next pandemic in an increasingly divided international society?”, Final Report to the EHESS, 4)詫摩佳代『重層化する保健ガバナンス』(明石書店、2024年刊行予定)という四点を書いた。 研究計画書でも記したとおり、近年の地政学的な対立の深まりを受けて、欧州、アジア、アフリカなどの各地域で地域内保健協力が、あるいは日本―ASEAN諸国、日米間など、有志国間の保健協力が活発化している。本年度はアジアと欧州、ヨーロッパ各地域における地域内保健協力、日本ーアセアン、日米、米国と同盟国などの有志国間の取り組みの数々を分析した。その特徴として、グローバルなレベルの取り組みを補完するものであると同時に、国際社会を分断化する可能性があり、各取り組みをグローバルなレベルの取り組みと有機的に結合する方策をイノベーションに着目しながら分析した。
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